2020/12/28(月) 08:00〜08:15 【連続テレビ小説】おちょやん よいお年を![字]


この人のこと知ってはりますか?
分かんない。
タシロ マサコ 誰ですか? それ。
残念 違います。

若い人たちには なかなかぴんと来ないよう。 一方…。
この人は 上方を代表する昭和の大女優
浪花千栄子さん。
大阪のお母さんと呼ばれ→
「おちょやん」の主人公のモチーフとなっている方です。
浪花さんは 貧しい家に生まれ


学校にも通えず 幼い時から働く日々。
道頓堀で働く中で
劇場で芝居に出会い 魅了され→
京都で女優となるも 苦難の連続でした。
それでも やがては黒澤 明や小津安二郎など→
名だたる監督にキャスティングされる
名脇役女優とならはります。
しかし 女優となってからも→
決して順風満帆ではなかった浪花さんの人生。
戦争が演劇界
そして 女優 浪花千栄子にも→
暗い影を落としていきます。
戦後 浪花さんにとって女優復活の一筋の光は→
ラジオドラマでした。
NHK大阪放送局に ラジオドラマで使用した台本と音源が残っていました。
タイトルは「お父さんはお人好し」。
浪花さん扮する 妻 おちえと夫 アチャ太郎との→
夫婦の掛け合いを中心とした
ホームドラマです。
「お父さん
あんた どっちの味方してなはんねん。→
静子に感心して
あんた 私に反対してはりまんねんか?」。
「いや そんなわけやないねんけど…」。
「お父さん あんた この話→
ぶち壊すつもりでっかいな?」。
「いや そんな あんた めっそうな…。→
け… けどな その訳があるからには
その訳を聞いてやな…」。
「そんなもん あんた 聞かんかって

よろしいございますがな」。
「ここで お父さんとお母さんと
もめたかて しょうがないやないの」。
「そうかて お母ちゃんが
あんまり訳の分からんこと言うよってに」。
「訳の分からんのは
お父さんやございまへんかいな」。
「何であんた 私が訳分かりまへんねんな」。
「何を言うてるの さっきから…」。
このラジオドラマでの→
花菱アチャコさんとの共演が→
えらい話題を呼び 人気を博す大ヒット。
戦後の映画ブームの流れとともに→
浪花千栄子さんは
女優として復活を遂げます。
いや~。
すごいテンポ感ですね。
テンポがありますね。
すごいスピード。
速いけど ちゃんと聞こえるし。
そうです。 技術が すごい。
出てきはっただけで 一気に その時代の→
そういう雰囲気になる女優さんなんですよね。
さあ 「おちょやん」も年始早々→
千代ちゃんの女優の道は花開くのか 開かないのか。
道頓堀を追われるように飛び出した
千代ちゃんの運命やいかに。
女優になりたい。
いや なります。
しかし そこに待ち受けていたのは…。

たあっ!あんた 赤ん坊以下!
大好きなお芝居を あんたみたいな人から
学びとうあれしまへん。
アクション!
何や夢の中みたいな。
ひょんなことから 千代ちゃんは
映画の世界に飛び込むことに。
あんた ええ間してんがな。
千代ちゃんを主役にするから。大女優にしてみせる。
うちの恋人になってくれはれへんやろか。
千代ちゃんがいてくれて よかった。
うわっ!
やい テルヲ! 今度は何する気ぃや!
ああ~!
まだ あのおやじに縛られてんのか。
何も知らんくせに偉そうなこと言うな!
あんたに うちの何が分かんねんな!
(泣き声)
自分がやりたいと思うようにやるべきよ。
私たちは自由なのよ。
新天地 京都での さまざまな出会いと縁。
ホワイ?
あ~!
千代ちゃんの夢が
実現に向かって大きく動き出します。
こっからが うちの ほんまの船出や。
よっしゃ!
「おちょやん」 来年は 1月4日から。
(一同)新年も よろしゅうお頼申します。
(拍手)