(芹沢)いきおい被害者に冷たい態度になったとしても→
責められないと思います。
(大河内)だが その動向が→
格好のニュースダネに
なってるわけだからな。
増えてますか? 抗議。
ああ 着々とな。
取り合う事ないでしょう。
別に被害届が出てるわけじゃないし。
傷害罪は親告罪じゃない。
(伊丹)まさか本気で調べるつもりですか?
それなりに
格好をつける必要が出てきた。
えっ?
三上冨貴江女史から問い合わせがあった。
三上冨貴江って
あの国家公安委員の?
ああ。 全く知らん顔
というわけにはいかない。
(受信音)
(土師 太)開いてみろ。
6人全員が身元特定されるのも
時間の問題だな。
クソッ 特定厨め…。
確か こうだったと…。
ありがとうございます。
うん うん うん…。
楽しそうですね。
僕ですか?それは言い掛かりですよ。
楽しいどころか これは
僕にとっては もっと切実で…。
とおっしゃると?
目の前に横たわっている謎を解かないでいると→
体調が
優れなくなるものですからねぇ。
それにしても
珍しい6人の取り合わせですね。
どういう いきさつで?
甲斐さんと食事をした帰り…。
(美彌子の声)
副総監と青木くんに ばったり。
(甲斐)衣笠くん。
(衣笠)これは これは。お食事ですかな?
(美彌子の声)そればかりか
刑事部長と参事官にも…。
(冠城の声)ディナー帰りの3組が→
偶然 出くわしたというわけですか。
(美彌子の声)そう。
でも 正確には→
刑事部長と参事官は
お茶してたそうだけど。
3組が偶然に会ったのは
間違いないわ。
(中園)あの 4人おそろいで
これは一体…。
(甲斐)我々もね
そこで ばったりと。
(中園)ああ そうですか。
そんな立ち話のさなか風間楓子が現れた。
…ええ。
どうも。『週刊フォトス』の風間です。
ああ… どうも。
当日は あいにくの雨でしたが傘はお持ちでしたよね?
(美彌子)はい。
皆さん お持ちでしたかね?
さあ どうでしょう?
ああ でも 甲斐さんはお持ちじゃなかったと思います。
合同庁舎の駐車場から→
車で 直接ホテルへいらしたようですから。
なるほど。
まあ だからといって 直ちに→
容疑者からは
除外出来ませんがねぇ。
えっ?
風間楓子転落時この位置関係だと→
甲斐さんは
彼女を手で押せますから→
傘は必要ない。
あっ 逆に言うと→
甲斐さんと向かい合わせだった
内村部長の2人を除いては→
傘がないと風間楓子を押せない。
腕を伸ばして押すには距離がありますし→
無理に押そうとするならば→
相当 身を乗り出す必要がありますからねぇ。
中間位置にいる私は
傘を持っていましたから→
容疑者のままというわけですね。
あっ 便宜上 容疑者と言っているだけですから→
気になさらずに。
ところで突き落としましたか? 傘で。
はあ?
あなたが突き落としたという事であれば→
この件は ここでケリがつきます。
真面目に聞いてます?もちろん。
黙秘します。
結構。 当然の権利です。
仮にですよ
素手にしろ傘にしろ→
誰かが風間楓子を押したとしたら