この子のことを知っとかないと→
教師ではないというような思いがあった
と思います。
話をしたりね そのことで
この子の背景とか→
この子の抱えてる問題とかいうのが
だんだん だんだん分かってくる。
どんな理由…?
やっぱしね→
何ていうか こう 差別されたりしててね
そういうふうなことをしなければ→
暴走しなければやっとられん
というような→
立ってられへんというふうな気持ちを
抱えてる子が多かったですよ。
だから 家庭が貧困であったりね
そういう→
なぜ こんなことにならなアカンの
とかいうふうな気持ちが→
ものすごく
教師の中ではありましたからね。
だから そういう いろんな もろもろの
生活環境 背景を抱えてた子が→
やっぱり そういうふうなところに
走らざるをえないという。
定時制高校で生徒さんたちと向き合う→
それから 被災地で 避難所 仮設住宅で被災者の方と向き合う。
これは何か やはり 共通の根っこ
っていうのはあるんでしょうか?
まあ いわゆるね 僕は
言葉は嫌いですけどね 社会的弱者です。
だから 社会的に小さな人たちですよね
少ない人たちですよね。
その人たち… ともに
置き去りにされてるんだなと思いました。
だから 忘れられてる存在とかね。
定時制高校 少ないですし→
生徒も少ないっていうので。
圧倒的に全日制高校が多いとかね。
この小さなところが
忘れられていくわけですね。
被災してる人も ちょっとしかいないので
全体から見たら少ない。
で 建物が
仮設住宅 復興住宅になるにつれて→
忘れられていくわけですね。
この人たちのしんどさは変わらへん。
まあ ひょっとしたら増すかもしれない。
だから 置き去りにされてる人たち…→
「置き去りにされてる」は
非常に傲慢な言い方ですけども→
同じしんどさを抱えている人たち
っていうふうなね→
共通項はあるかなと思いましたね。
普通 あれですよね→
仮設から復興住宅へ どんどん 皆さん
あっ 落ち着いていかれた→
ハッピーになった よかったね で
そこで まあ忘れる。
あるいは 「えっ 定時制高校?
そういう人たちがいたんや」→
っていうことも知らないまんま
普通の人 知らないまんま過ぎますよね。
割と知らないね。
そこに 牧さんがやっぱり気付かれたわけですね。
気付くというよりも
そこに身を置いてしまってるわけでしょ。
だから ひょっとしたら
僕 気付かなかったかも。
全日制高校へ行ってたら
気付かなかったかもしれない。
そんなに こう 遠くから眺めて
気付く人間じゃないので→
その場にボーンって入って初めて気付く
というようなね。
どっちもこう ほんとに こう
直面していくわけですね。
この子のことを知っとかないと
教師ではない というような思いが→
あったと思いますよ。
知らぬまま通り過ぎるわけにはいかない。いかない。
そこが 「ほっとけん」っていう部分ですね。
なんでしょうね きっとね。
全日制高校やったら
そういうかたちにならなくって→
ひょっとしたら あれですね→
ボランティアも してなかったかもしれないですね。 …と思います。
震災から およそ1年。
神戸市内では「災害復興住宅」と呼ばれる→
公営のマンションやアパートなどの供給が
始まります。
その数は 4万戸以上。
自力での住宅再建が難しい高齢者や母子家庭などの世帯が→
優先的に入居することになりました。
入居は抽選制で場所を選ぶことはできません。
住み慣れた地域に戻れるという保証は
ありませんでした。
この復興住宅が次々に建っていく様子を
どんな思いでご覧になってました?
まあ それはそれなりに