2021/01/17(日) 04:30〜04:59 イッピン・選「木をいかす 新たなカタチ〜石川 木製品〜」[字]
カギでした。
圧力が強すぎると
板がスムーズに動かず→
逆に弱いと
刃が しっかり当たりません。
更に 削れば
板は どんどん薄くなり→
かける圧力も そのつど
変えなければなりません。
もう一つ 向さんは→
作業を始める前にある工夫をしていました。
カンナの刃を
斜めにセットしていたのです。
刃を直角に当てると→
板に当たる面が狭いため→
抵抗が生まれ→
ささくれてしまいます。
刃を斜めに当てる事で→
板に当たる面が広がり→
滑らかに削られていくのです。
一見 何気ない作業の中に→
ローラーの圧力や
刃の角度の調整など→
貴重な黒柿を無駄にしない→
細心の注意が払われていました。
一枚の板から およそ200枚が
スライスされるといいます。
どれもが
ほぼ同じ0.14ミリの薄さです。
でも まだ終わりじゃないんです。
極薄で しかも破れない。
その訳とは?
用意したのは 接着剤。
これを薄い布に塗ります。
そこにスライスした木を貼り合わせ→
200度に熱した
アイロンをかけます。
すると…。
(谷口)今こういう状態になったんです。
え~! ホントですか?
私が引っ張ってもいいですか?思いっきりやりますよ。
どうして?
木に貼り合わせた布は不織布。
CDの
保護カバーなどに使われ→
しなやかで
強度に富んでいます。
更に接着剤にも秘密がありました。
普通の接着剤だと→
固まると
硬くなってしまいますよね。
これだと
簡単に木が割れてしまいます。
こちらの接着剤は→
固まっても弾力がある特殊なもの。
詳しい成分は 企業秘密です。
これで 曲げようが引っ張ろうがへっちゃらです。
最後に縫製です。
木の素材と牛革を縫い合わせます。
なんと ミシンの針を通しても
割れません。
見事に縫えました。
完成です。
0.14ミリの薄さながら→
丈夫で木のぬくもりを感じさせます。
使う人はもちろん→
見る人の心も和ませるイッピンです。
石川県は 良質の木材に恵まれ→
江戸時代から 木工製品や漆器が盛んに作られました。
木目を楽しむ山中漆器。
重厚な塗りを味わう輪島塗。
絢爛豪華な金沢漆器。
どれも日本を代表する工芸品です。
その木工の技術と蒔絵の技を→
見事に融合させたのが金沢桐工芸。
主に暖をとるための
火鉢が作られました。
良質の桐の木は 雪国なればこそ。
そこに職人が丹精込めた蒔絵を施しました。
しかし 1960年代以降→
石油ストーブが普及すると火鉢は実用品ではなくなりました。
そんな火鉢が
再び脚光を浴びています。
それが こちらの まるい火鉢。
くり抜いた桐の木に→
銅で作られた 落としを入れます。
そこに炭を入れ 五徳をのせればお湯も沸かせます。
何だか ほっこりしますね。
若い世代を中心に人気を集めている→
この まるい火鉢。
どんなふうに作られているのか訪ねてみました。
こんにちは。
(内田)は~い こんにちは。
火鉢を作っている…
もう 火鉢がいっぱいあるんですね。
こちらの工房は 大正2年創業。
桐の火鉢を作り続けています。
(内田)そうですね。
いや~ この木目と あと手触りがすごくスムーズで→
気持ちがいいですね。