2021/01/17(日) 04:30〜04:59 イッピン・選「木をいかす 新たなカタチ〜石川 木製品〜」[字]


焼いてるんですね。
焼いた木肌に 漆で図柄を描き→
そこに金 銀を施す高蒔絵という→
技法で仕上げています。

作業には 削って 焼いて蒔絵を施すという→
3つの工程があります。
生方さん 最初の作業場へ。
こんにちは。
桐の木をまるい形にする…
材料の桐を


見せてもらいました。
ちょうどいいんですね。
桐の木にはどれも穴が開いてるので→
器などには向かない素材。
でも火鉢は くり抜くので穴が開いていても大丈夫なんです。
作業は まず 桐の木を
ろくろに固定するところから。
最初は
外側を大まかに削っていきます。
これは
カンナを研いでるんですか?
(岩本)そうです。
そうですね。
実は桐の木 やわらかくて
うまく削るのが難しいんです。
外側が大体 削れたら
真ん中に印をつけ→
片側半分を削っていきます。
粗く削った曲線をカンナを替えて→
滑らかにしていきます。
曲線は 火鉢の命。
繊細に削ります。
きれいな曲線ができました。
次に 内側を削ります。
内側は刃先が当たっている場所が見えにくいので→
指先に伝わる感覚を頼りに
削っていきます。
半分できたら もう片方も→
外側 内側と同様に削ります。
きれいな まるい球体が

出来上がりました。
ただ表面は
まだ 毛羽立っています。
ここで 内田さんにバトンタッチ。
わ~ 焼いてる!
表面を焼き 毛羽立ちをなくして→
滑らかにしていくのです。
ムラができないように→
バーナーの火を当てていきます。
焼かれている表面を よく見ると→
実は微妙な差があります。
この部分は かたくて燃えにくい。
線になっている部分は→
やわらかくて燃えやすいんです。
火の粉が舞っています。
すると 内田さん
素早く火を消します。
焼き入れが終了。
毛羽立ちが目立たなくなりました。
でも 全体が
黒いススで覆われています。
このススを落としていきます。
表面を傷めないように→
木目に沿って作業を進めます。
美しい木目が浮かんできました。
(内田)なでて頂くと
分かるんですけど→
白木の時とは違って
ちょっと こう…。
やわらかい部分が焼ける事で

くぼみができていました。
それが木目を
くっきりさせていたのです。
最後は 高蒔絵の作業です。
優雅さと立体感を強調します。
高蒔絵の担当は
職人歴44年のベテラン…
星座が描かれた型紙を貼り→
小刀で くり抜いていきます。
木肌を傷つけないよう慎重に。
次に砥の粉と漆を混ぜていきます。
立体感を生む
土台になる→
錆漆です。
この錆漆をくり抜いた部分にのせていきます。
型紙を外します。
ここからが高蒔絵の真骨頂。
乾かしたら錆漆の上に
漆を塗ります。
更に漆を塗り重ね…。
星座のイメージとなる銀粉をまく。
何層にも漆を塗り重ね→
仕上げていきます。
星の部分には
金箔を貼って…。
最後に磨きをかければ完成。
美しい木目の夜空にいくつもの星座が瞬きます。
石川の伝統の技が集結した
桐の火鉢です。
これから どんなものを