2021/01/17(日) 12:15〜12:40 緊急事態宣言 首都圏ニュース・生活情報[字]


いかにも恐ろしげですが実際に牙で攻撃することはありません。
誇張した表情を見せつけ合うことで
直接戦うことを避けているのです。
新たな一日の始まりです。
ゲラダヒヒは 夜を過ごす場所もまた 変わっています。
切り立った崖の中腹。

岩にしがみつくように 休んでいます。
僅かな岩の隙間で 雨風をしのぎ
夜の寒さを やり過ごしているのです。
家族は 1匹のオスと
数匹のメスや子どもから成ります。
岩のくぼみに指をかけ 体を支えます。
まるでボルダリング。
身軽なサルといっても
崖登りは 子どもには大変です。
画面の左側。
登れない子どもがいます。
助けにきた お兄さん。
背中に乗せると 尻尾を立てました。
落ちないように支えています。
ゲラダヒヒはこうして 毎日 崖を行き来しています。
頂上に着くと行進が始まりました。
いくつもの家族が合流。
時には 1,000匹もの集団に
なることもあります。
やって来たのは 広々とした草原。
互いに争うことなくこれほど大きな群れを作るサルは→
ほかにはいません。
皆 下を向いて 地面に集中しています。
草を食べているのです。


ゲラダヒヒは 世界で唯一草を主食とする 珍しいサルです。
草は栄養が乏しいため
たくさん食べなければなりません。
十分な量をとるため→
生活のほとんどの時間を食事に費やすこととなります。
この長時間 座っている独特な行動が
思わぬ結果を生み出しました。
普通 多くのサルでは
男盛りを示す赤い色が 尻に現れます。
しかし 座った姿勢では見えません。
そこで ゲラダヒヒの場合は胸が赤くなるようになったのです。
天空の草原で平和に暮らす ゲラダヒヒ。
そんな中にも トラブルメーカーがいます。
近づいてきたのは 若いオスの集団。
大人のオスに戦いを挑み→
あわよくば その地位を奪おうと
チャンスを狙っているのです。
迎え撃つ大人のオス。
緊張が高まります。
じわじわと距離が縮まってきました。
牙をむき出す若者。
大人のオスも負けてはいません。
大きな牙を見せ力を誇示する 威嚇合戦です。
それで決着がつかないと
第2ラウンドの始まりです。
ついに 対決!
…と思ったら大人のオスが逃げ出しました。
実は これが作戦。
大人のオスはわざと自分を追いかけさせ→
逃げきることで

力が上だということを見せつけるのです。
かなわないと思えば
若者たちは諦めます。
ゲラダヒヒの世界では
力でねじ伏せるのではなく→
いかに上手くおさめるかが 大切なのです。
高地という限られた環境→
厳しい自然を 巧みな知恵で
生き抜く生き物たちの姿がありました。
日本百景の名勝
猊鼻渓で知られる→
岩手県 一関市東山。
地域で もう一つの観光名所がこの紙すき館。
オリジナルの和紙作りも体験できる。
この地区は 伝承800年を誇る東山和紙の里だ。
昔ながらの製法を守り続ける
紙すき職人がいる。
鈴木英一 この道40年。
東山和紙 最大の特徴は紙のすき方にある。
この技法により
丈夫で美しい和紙が生まれる。
卒業証書や菓子箱
地元アーティストの作品など→
用途は さまざまだ。
平安時代 奥州藤原氏が中央から職人を呼び寄せ→
写経用の紙を作らせたことに
由来するという東山和紙。
その後 和紙作りは
農家の副業として この地に根づいた。
原料の栽培から加工まで→

一年を通じた作業も脈々と受け継がれてきた。
昭和17年ごろには→
280軒もの家で紙をすいていたという。
しかし 和紙の需要が低迷。
職人は 鈴木を含め 2人だけになった。
そんな中 鈴木にとって
うれしい取り組みが始まった。
東山和紙の技が
失われることを危惧した一関市が→
予算をつけて職人養成講座を企画。