2021/01/17(日) 20:00〜20:45 麒麟(きりん)がくる(41)「月にのぼる者」[解][字][デ]
親でも使えと申しますからな。
憎き本願寺を倒すには
まず 毛利をたたかねばなりませぬ。
毛利の後ろにあるのは九州の諸大名。
さすが 前の関白様。見事に任を果たされた。
それは よろしうございました。
それが 一向によろしうない。
京には 我が敵 関白 二条晴良が居座り
いまだに私の上洛を嫌っておる。
信長殿も二条には弱腰で
はっきりと物が言えぬらしく→
いつ来ても 鼓を打ってごまかされる。
そうじゃ。 近衛様には まだ天主をご覧に入れておりませんでしたな。
まだ出来上がりませぬが
一度 お上がり頂きとうございます。
ふ~ん。 今日は
天主で ごまかそうとの魂胆じゃな?
近衛様を天主までご案内せよ。
(織田家若侍)はっ。
♪♪~
前の関白も今や信長殿の操り人形じゃ。
やむなし。 やむなし。
まだ 近衛様には申し上げておらぬが→
近々 二条様には
関白を辞めて頂くよう朝廷に進言し→
代わりに 近衛様を据えようと思う。
二条様は口先ばかりで 帝に 春宮へのご譲位をご決心頂くと言いながら→
一向に話が進まぬ。
何より 都での評判が悪い。
わしはな 政を行う者は
世間の聞こえが大事だと思うておる。
まことに仰せのとおり。
いずれ 本願寺 丹波を平定し→
毛利を破りましても
人の心がついてこねば→
天下の統一は成り難いと存じまする。
案ずることはない。 京におけるわしの風評は上々と聞いておる。
さようでございますか。
それは どなたにお聞きになりましたか?
どなたに?
皆がそう申しておる。
京では わしの造った安土までの
広く美しい道を通り→
この天にも届くばかりの我が城を見るのが
夢じゃという者が多いと聞く。
では 松永殿は
何故 殿に背を向けられましたか?
公方様は 何故 叛かれましたか?
もうよい!
今日は
共に鼓を打とうと思うて呼んだのじゃ。
もそっと素直な物言いをせよ。
私は素直に正直な気持ちを申し上げておりまする。
左馬助 これへ。
(左馬助)はっ。
♪♪~
御免。
平蜘蛛の釜にございます。
殿に この釜の在りかを問われた折知らぬと申し上げましたが→
いたく後悔をいたしました。
殿に対して一点の後ろめたさがあるかぎり→
これは手元に置かぬ方がよいと思い
持参いたしました。
殿が 松永殿を討った勝ち祝の品として
お納め頂ければ幸いと存じまする。
それを わしに?
はい。
素直な気持ちを…
正直に言うと申したな?
何が言いたい?
この平蜘蛛の釜ほどの名物は持つ者に覚悟がいると聞き及びました。
いかなる折も 誇りを失わぬ者…→
志高き者… 心美しき者であるべきと。
ほう。
殿にも そういうお覚悟をお持ち頂ければ幸いと存じまする。
そのようなご主君であれば
叛く者は消えうせ→
天下は穏やかにまとまり
大きな国となりましょう。
城を美しく飾るだけでは
人はついてまいりませぬ。
申し上げたきことは
それだけでござります。
聞けば
なんとも やっかいな平蜘蛛じゃな。
いずれ 今井宗久にでも申しつけ
金に換えさせよう。
その覚悟とやらも込みで
1万貫ぐらいには売れよう。
そう思わぬか?
それを 金に?
その値で売れるか売れぬか→
それで この平蜘蛛の値打ちが分かろうというものじゃ。
フッ… フッフッフッフッフ…。
♪♪~
(三条西実澄)何を考えておられる?
(実澄)王維じゃな。
(実澄)今の明智殿の気持ちかな?
いや…。
戦 戦で 世が なかなか鎮まらぬ。