2019/09/03(火) 00:20〜01:10 プロフェッショナル 仕事の流儀「内科医・天野惠子」[解][字][再]

皆さんは ご存じだろうか。
さまざまな病気がある中で→
特に女性がかかりやすい病があるということを。
中には 原因不明の病気もある。
例えば…
全身の激しい けん怠感や
微熱などが続く。
ひどくなると全く動けなくなり
日常生活も ままならなくなる。
だが。
ある医師との出会いが…。
女性を専門に診療する
「女性外来」のパイオニアだ。
この日は 千葉にある病院への出張だった。
天野は依頼を受け週一回ここで診察を行っている。
(スタッフ)おはようございます。
おはようございます。
あ~ なんかやっぱり風は冷たいね。
天野の診察を求め 患者は北海道から九州まで 全国各地からやって来る。
落合さんは14年前 胸に痛みを感じ
自宅近くの病院で見てもらったが→
異常は見つからなかった。
ところが そのあとも胸の痛みは続いた。
いくつかの病院を転々としたが
いずれも異常なしと診断された。
ようやく原因が分かった。
閉経間近の更年期の女性に多く見られる病気で→
女性ホルモンの減少が
関係しているという。
天野は 細かいの血管を広げる薬剤を


投与することで 症状を改善させた。
病院を転々としてきた患者たちが
最後に救いを求めるのが→
いわゆる「性差医療」が行われていた。
男性と女性でかかりやすい病気に差があり→
更に同じ病気でも→
他の病院では異常が見つからず 治療法が分からないと言われてきた女性たち。
(笑い声)
天野は 女性外来の第一人者としてこの20年→
天野は なぜ見つけることができるのか。
そこに 天野の天野たる流儀がある。
「患者から識る」とは どういうことか。
天野が勤める病院で診察の様子を見せてもらった。
気付いたことがあった。
この日もまた助けを求める女性がやって来た。
初診の50代の主婦。
症状は 胸や胃 関節の痛み手足の冷え 不眠など。
病院で診察を受けたが
原因は分からないと言われたという。
天野の診察は
患者が病院に来る前から始まる。
実は 予約の段階で
現在の症状だけではなく→
病歴 通院歴 治療内容などを→
できるだけ詳しく自分で書いて送ってもらう。
ただ単に 患者の情報だけが
その目的ではない。
(天野)私たち 患者さんに
成り代われないわけですよ。
天野は 4,000件の症例と照らし合わせ


不調の原因は何か 見極める。
女性は 誰にも理解してもらえない
苦しみから→
自分は なんかちょっと
変な言い方したら ちょっと→
女性ホルモンの減少で
引き起こされる この病気。
心電図や心臓カテーテルの検査をしても
異常が見つからないという。
1つは 更年期前後の女性に多い。
放散痛というものがあって…
今 天野が人生を懸けて向き合う病がある。
4年前 仕事帰りに突然 歩行が困難となり→
翌日には 起き上がれないほどの
疲労感に見舞われた。
その後 天野によって
1つの診断が下された。
その患者数は 30万人とも言われる。
全身の激しい けん怠感や関節痛 微熱が続く。
天野がこの病気を知ったのは 10年ほど前。
いまだに発症のメカニズムも効果的な治療法も見つかっていない。
そして この病気の苦痛は
それだけではない。
原因不明の病に
患者の悲痛な叫びは 後を絶たない。
今回 取材する中で
1通の手紙が番組に寄せられた。
「症状を伝えると
『疲れただけで寝込むものなのか』→
『誰だって体は痛い』

いろんな意見が飛び交いました」。
「高校は どうしても病気をする前のように
学校に通いたくて→
週2日通って卒業しました」。
手紙を送ってくれたのは…
慢性疲労症候群を発症したのは 9歳の時。
卒業後の生活のリズムが乱れていた。
今 この病気に対する特効薬はない。
何か楽しみを見つけられればと天野は思った。
そう声をかけることが 精いっぱいだった。