2018/08/15(水) 19:30〜20:43 NHKスペシャル「ノモンハン 責任なき戦い」[字]

モンゴルの草原地帯に今も刻まれた日本の戦争。
かつて 日本軍が築いた
塹壕の跡です。
ここで 日本とソビエトが
凄惨な戦いを繰り広げました。
1939年に勃発した
ノモンハン事件です。
最新の兵器を備えたソビエト軍。
それに対し日本軍は兵力も装備も劣っていました。
日本は
主力部隊の8割が死傷する→
かつてない敗北を
喫したのです。
作家の司馬遼太郎は
このノモンハン事件こそ→
日本が 破滅へと突き進んだ時代を
読み解く鍵だと考えていました。
取材を進めた司馬は→
陸軍の上層部のありように嫌気がさし→
執筆を断念したとされています。
昭和の大作家が書けなかったノモンハン事件とは→
一体 何だったのか。
今回 日本陸軍の上層部が敗北の舞台裏を赤裸々に語った→
150時間に及ぶ音声記録が
新たに見つかりました。
ある陸軍幹部は
敵の能力を軽視し→
甘い見通しで
戦争に突入したと→
告白していました。


陸軍の上層部は国の重大事にもかかわらず→
曖昧な対応に終始。
現地軍の暴走を止める事ができませんでした。
敗北の責任は
現場に押しつけられていきました。
貧弱な装備で
厳しい戦いを強いられた→
現場の部隊長たち。
次々と 自決に追い込まれていきました。
部隊が ほぼ全滅する中
奇跡的に生き延びた→
101歳の元兵士。
仲間は何のために死んでいったのか。
軍の上層部への憤りを
今も抱え続けています。
しかし 敗北の教訓は
生かされませんでした。
2年後に起きた太平洋戦争でも
同じ失敗が繰り返されていきます。
敵の実力を軽視し
甘い見通しで始めた戦争。
敗戦が決定的になったあとも
無謀な作戦が繰り返され→
部隊の全滅が相次ぎました。
軍民合わせた犠牲者は310万人に上り→
国は焦土と化しました。
モンゴルの草原で今も風雨にさらされたままの→
兵士の遺骨。
新たに発掘した資料からノモンハン事件の全貌に迫ります。
日本から2,000km


モンゴル東部にある大草原。
当時 日本側は この一帯を
ノモンハンと呼んでいました。
今も モンゴルの警備隊が
厳しい国境管理を行っています。
今回 NHKは
特別な許可を得て→
日本とモンゴルの専門家と共に
ノモンハンに入りました。
草原には 79年前の激闘を物語る
痕跡が数多く残されていました。
ソビエト軍の手榴弾。
日本軍の痕跡も見つかりました。
明治時代に導入された銃の薬莢。
日本軍は時代遅れの装備で戦っていたのです。
兵士の遺骨と見られる骨が
今も 野ざらしにされていました。
乾燥した この大地で
風化に耐え 残っていました。
草原を流れる…
ノモンハン事件は 周囲に何もないこの河を巡って起きた→
国境紛争でした。
今の中国東北部にあった日本の傀儡国家 満州国。
ソビエトと
その同盟国 モンゴルとの国境は→
5,000kmに達し
小競り合いが度々起きていました。
ハルハ河を国境と主張する日本側は
その河沿いに軍を展開。
河より20km東を国境と主張する

ソビエトとモンゴルは→
ハルハ河を越えて軍を派遣。
大規模な紛争に発展しました。
NHKは ロシアの国立アーカイブで
未公開の映像を含む→
2時間のフィルムを
新たに発見しました。
その映像を人工知能を活用して
カラー化しました。
時速50kmで疾走する快速戦車。