2018/07/29(日) 21:00〜21:50 NHKスペシャル「アインシュタイン 消えた“天才脳”を追え」[字]
着手する事は かなわなかった。
研究に失敗した後ろめたさから→
アインシュタインの脳を持っている事を人には言えず→
時間だけが
たってしまったという。
ボイド博士が研究に失敗してから
25年。
最新の技術を使えば→
壊れた遺伝子からでも解析する事が可能だ。
残されたブロックを
今後どうするか→
ボイド博士は
思い悩んでいるように見えた。
脳の秘密を探ってほしいと→
ハーベイがブロックを託した世界各地の科学者たち。
私たちの取材に対して→
アインシュタインの脳を所有している事実さえも→
隠そうとする人が相次いだ。
12年前 アインシュタインの脳の→
グリア細胞に関する論文を
発表した→
ジョージ・コロンボ博士。
脳を所有しているとみられるが→
メールで問い合わせても
一切その事を明らかにしなかった。
なぜ 口を閉ざすのか。
現地に赴き直接 尋ねる事にした。
コロンボ博士は 79歳。
10年前に大学を退職していた。
撮影に難色を示す コロンボ博士。
改めて取材の目的を伝えた。
10分後。
OK。
ようやく
オフィスに入る事が許された。
私たちは コロンボ博士に
率直に尋ねてみた。
しばらく考え込んだ
コロンボ博士。
棚から小さな容器を取り出した。
中には アインシュタインの脳のブロックが入っていた。
25年ほど前
ハーベイに要望して→
送ってもらったという
脳のブロック。
持っていたのは
頭頂葉や後頭葉など→
合わせて 5つのブロックだった。
引退後も 人知れず自宅で手元に置き続けてきた→
アインシュタインの脳。
天才の脳を独占していたい。
いつしか そうした思いが
心を占めていったという。
散逸したアインシュタインの脳が
元どおりになる日は来るのか。
300枚の画像解析を進めると
新たな発見があった。
人間の脳が年齢とともに
どのように変化するか→
5歳から80歳まで→
3,000人に及ぶ膨大な脳のデータをもとに明らかにした。
瀧教授は このデータを使えば→
アインシュタインの全盛期の脳に→
迫れるのではないかと考えている。
アインシュタインは 26歳で特殊相対性理論をはじめ→
新たな論文を立て続けに発表。
その1年は奇跡の年と呼ばれている。
今回 再現した 76歳時点の
アインシュタインの脳。
その時間を巻き戻していくと…。
20代のアインシュタインの脳の形状が推定された。
見比べると 20代の脳は→
溝の隙間が びっしり詰まった状態になっている事が分かる。
領域別に見てみる。
音や言語など耳からの情報を処理する 側頭葉。
この一部では
あまり変化はない。
一方 76歳時点でも→
特異性が指摘されていた→
前頭葉と頭頂葉。
20代の頃は 更に大きく→
発達していた
可能性が浮かび上がった。
実際の脳を集めて解析できれば→
内部の細胞の分布や 細胞同士のネットワークが明らかになり→
より詳細な成果が得られると
瀧教授は指摘する。
幼い頃から 独自の思考を
重ねていたとされる→
アインシュタイン。
その脳内で 人類の世界観を一変させるような発見が→
どのようにして生まれたのか。
今 最先端の科学では→
そうした複雑な思考を可能にする
脳の働きの解明が進んでいる。
人間の脳の全容解明に挑む→
世界的なビッグプロジェクトを率いる…
1,100人余りを対象に
どんな条件の時に→
脳が どう活動するか