50年以上やってるんですね。
55年ですか。
その歳月を
ずっと魚屋さん。
いろんな苦労もあったしね、
こうやって話を聞いていると、
人それぞれに、
人生は本当にありますな。
結婚するときによ、
もうお茶わん割られるんですよ。
あんたの食べるお茶わんも
ご飯はないよと。
だから、どんなことがあっても
帰ってきなや!というこういう時
代ですわ。
◆昔そうやったんですね。
◆真理恵ちゃんなんかどうやった?
真理恵ちゃん、どうやった?
なかったでしょう?
好きなときに帰ってくるんやで、
みたいな
◆荷物も置きっぱなしです。
◆そういう時代です。
だから、どんなつらいことがあっ
ても、
嫌なことがあっても我慢してやっ
た結果、
55年間、ご主人と一緒に
80歳。人生を一緒に共にして。
やっぱり、よかったなという気持
ちがあるそうですが、
◆奥さんがほんま大変やったんで
しょうね。
◆さあ、このお魚屋さんのご夫婦。
魚屋さんから、ついに引退を決意することになりました。
その出来事とは一体何でしょうか
というのが問題でございます。
◆ハーイ!
◆そんな大きな声で元気出すような話じゃないですよ。
ちょっと寂しい話やで。
◆何か、引退と言われてましたけ
ど、また次のことを考えているん
ですよ。
これから、もう一遍。
◆そうでしょう。
まだまだ、人生、第二の人生、
考えてはると思います。
◆お魚屋さんって刺身をするとき
に、必ず横に黄色い花みたいなや
つ、あるでしょう?
◆何やったけ、菊の小さいやつ。
◆あれをつくろうとしたはるんじ
ゃないですか。
あれは仕入れが要らないから、
自分で種をまいて、菊のちっちゃ
いやつですか。
あれを栽培して、
別のお魚屋さんに卸すという。
◆それで?
◆いやいや。
それで終わりです。
だから、別の商売。
◆魚屋さんに関係のある、
なおかつ、リスクも背負わないと
いうような…。
◆そっちのほうがもうかるんじゃ
ないかということで。
◆自由な発想やね。
◆はい。
◆いや、そない褒めるような答え
でもないと思います。
高橋さん、行きましょう!
◆だから人が全然来ないというの
が、寂しい、だから、ずっと
人が通られへんぐらい、昔はすごかったと。
活気もあったというのがまず人が
全然通らへん、寂しいなと思って
たら、
野良猫が、向こうから1匹、
歩いてきたんです。
普通、猫があれだけ
野ざらしの魚があったら
くわえて行きそうなものじゃないですか。
野良猫がわあっと来て。
首をかしげて。
猫にも首をかしげられて。
◆猫も相手にしない?
◆これはやめようと。
◆これはあかんと。
人間どころやないと。
◆猫に、首をかしげられたら終わりと言われております。
◆これはちょっとつらいですね。
さあ、いきましょう。
トミー。
◆トミーズ。
◆トミーズは雅さんと一緒やから。◆はい、わかりました。
トミーはですね…。あの年になりますと、先ほどもお
っしゃっていました。
◆そういうことなんですよ。
年齢的なものです。