似品を台湾から輸入していた卸売
り業者や販売店、そして商品の倉
庫に至るまで、徹底的に行われま
した。
>>その人気から偽物を売りつけるたまごっち詐欺や、たまごっち
恐喝などの事件も起こり、まさに
社会現象となっていた。
一心不乱にサンドバッグをたたく
男性。
彼こそが、
たまごっちの生みの親、
横井昭裕さんだ。
>>あんな火のつき方すると思っ
てました?
>>いやいや、思ってないです。
一番でかかったのはやっぱり安室
奈美恵さんが紹介してくれた。
>>当時、ゲーム開発会社の社長
を務めていた横井さん。
ヒット商品を作ってほしいと、
バンダイから依頼を受けて生まれたのが、たまごっちだった。
>>時計の中に変な動物がいて、
たまに顔を出すんで、
餌をやってったらどうだと、
それはいいじゃないのということで、
バンダイにその企画を持っていっ
たんですね。
そしたら、これ非常におもしろい
ねと。
おもしろいんだけども、
時計形はやめようよと。なんで?って聞いたら、
いや、去年、
時計形のおもちゃで失敗したんだっていうから。
じゃあ、時計型以外で持ち運びが
できるっていうと、キーホルダー
かなということでね、キーホルダ
ーだったらいつも持ってても。
>>これまでの売り上げ総数は、
8000万個を超えるたまごっち。
一大ブームとなった理由はどこに
あったのか。
20年以上たった今、分析しても
らった。
>>今の玩具業界に限らず、かぎ
らず、すべての消費されるものっ
ていうのは、
人間の都合の悪いことは入れてなかったんだよね。
ところが、
たまごっちっていうのがまず、死ぬというマイナス、それからうん
ちをする、
面倒を見ないと悪い子になるとかね、そしたらやっぱり、子どもが
学校に行くときは、お母さんに預
けて、お母さんがはまってくれた
んですよね。
お母さんが面倒見れないときには、おじいさん、おばあさんが面倒見
てくれて、
家族中でいってみればはまってしまったみたいな。
だからとんでもない大人までね、
みんな一生懸命やってたじゃない
ですか、あれはそういう理由です
よね。
スイッチ入れた瞬間に、
自分の手から離れて勝手に動いてるわけですね。
そんなものはなかった、かつては
ね。
>>今ね、
ちょうどこれがうんちしてるんです。
うんち、
流そう。
これ。
喜んでるんですけどね、
あんまりかわいくないんですよ。
>>主導権が人間ではなく、機械にあるゲーム。
思うようにならないたまごっちに
おもしろさを感じて夢中になった
人が多かったのだという。
当時の文化について研究する専門家も、
たまごっちには、
若者を引き付ける魅力があったと指摘する。
>>人工知能とか、人工生命とい
ったAIですよね。
そういったものの先駆けのような
気もするんですよね。
当時、若い人たちは、
たまごっちに不思議な未来感というものを感じ取っていたのかもし
れない。
>>当時はアナログからデジタル
に変わるメディアの転換期。
インターネットが一般家庭に普及
し始めていた時期、
たまごっちはそう遠くない未来を感じさせる商品だったのだ。
>>ブームといえば、
ファッションも切り離せません。
平成初期には、
女子高生の必須アイテム、
ルーズソックスが大ヒット。
ほかにも、
ミニスカートに、
ちょっと大胆なへそ出しルック。さらに、
真っ黒に日焼けしたガングロも。