ある異変に 気付いた>
(ヴォルフガング)準備できたよ。 ほら。
<一本の…>
<4年間 隠し通してきた
秘密の計画が…>
<たった 一本の 髪の毛によって
崩れ去ろうとしていた>
<果たして…>
<絶対に 母に気付かれては いけない>
<そこで ヴォルフガングは…>
<女性としての尊厳すら踏みにじった>
<もう…>
<ナターシャの心は折れかけていた>
<警察は
ウィーンから 25km 離れた…>
<そこは
母 ブリギッタの…>
<依然として 母親は
娘殺しの疑いを 掛けられていた>
<自分を 責め続けたまま>
<これは実際の ナターシャの部屋>
<あれから 5年>
<帰ってくる日を 信じそのままにしてある>
<母親だけは 愛する娘の帰りを
待ち続けていた>
<月日は流れ
誘拐から 6年が たった>
<警察の捜査が 実質的に
終わっていた このころ…>
[外:6F73C38E5042391709D4FF1D2D051DE2](男性)イギリスでは この事件を多くの国民が 見守っています。
<ナターシャはラジオを聴くことを 許された>
<これが…>
<6年間 誰からも呼ばれることのなかった→
自分の名前が
ラジオから 聞こえてきた>
<しかし…>
<自分を 殺したとして…>
<大好きな お母さんが
疑われている>
<折れていた ナターシャの心に
再び 火が付いた>
<ナターシャの 静かな戦いが
始まった>
(ヴォルフガング)喉が渇いた。
何か 飲み物が 欲しいな。
(ナターシャ)分かりました。
<自分は 食べることのない料理を一生懸命 作り…>
<力の入らない体で
家のリフォームを 手伝った>
<従順な少女を 演じ
男を 安心させるのだ>
<母親への思いが
ナターシャを 奮い立たせた>
<これは ナターシャが
捕らわれていた 地下室の映像>
<部屋には 本や 衣服が 並び…>
<さらに テレビまで置かれていた>
<これこそが ヴォルフガングから信頼されていた 証し>
<ナターシャの戦いは少しずつ 成果を見せていた>
<17歳になった ナターシャに
ヴォルフガングは…>
<何と 家の外に
連れ出すという>
<7年間で 初めての…>
<隣の女性が→
あの誘拐された 少女だとは
誰も 気付かない>
<ヴォルフガングは
確信していた>
(ナターシャ)よいしょ。
<と 次の瞬間ヴォルフガングが…>
<いない>
(従業員)こちらへ どうぞ。(女性)ああ。 こっちだったのね。
<今 店員に 声を掛ければ
全てが 終わる>
♪♪~
<体が 動かなかった>
(ヴォルフガング)ほら。
(ナターシャ)くそ!
<7年に及ぶ 恐怖の支配は
知らぬ間に→
心を 完全に
縛り付けていたのだ>
<ナターシャは 男の目を盗み
恐怖の中で→
トイレットペーパーに
決意を 刻み続けていた>
<母の言葉を 胸に
何年も 書きためた…>
<絶対に 諦めなかった>
<運命の日は不意に 訪れた>
<誘拐から 8年が過ぎ→
ナターシャが 18歳になったある日>
(ナターシャ)はい。
<従順な少女を 演じ続け→
ヴォルフガングは
完全に 自分を 信じている>
<その戦いの成果が
目の前に 開けた>
(ナターシャ)《開いてる》