円さん、ぶらぶらされています。
◆美容師さん。
目を余り見はらへんですね。
◆あの人ね、ふだんは、お客さん
に対して、
すごいしゃべるらしいんです。
◆優しい笑顔でね。
◆ちょっと…。
いきなり来たんで、ちょっと
ああいう雰囲気になったのかな。
ふだんはとてもいいところなんで、ぜひ行ってみてください。
◆火曜日は休みだから。
◆ちょうど見ておられると思います。
続きをどうぞ。
◆これはいいとこ、来たなあ～。
この川見て、これ。
サギ！
お～っ。
わかってるな、テレビ。すごい！
すごいわ～。
◆まあほら、
川出てきた。
いやあ～、
気持ちいい！
きれいな水やんか。
あの人、一生懸命、何かやっては
るわ。
こんにちは。
この川は、何ちゅう川でっか？
◆高野川です。
◆高野川というのですか。
京都の方ですか。
◆すぐそこに住んでます。
◆きれいにひげ、剃ってるねん。
◆ありがとうございます。◆いやあ。
あの山は何という山なんですか。
◆「妙法」って、大文字の。
◆大文字って、同時期に
燃やすの。違うでしょう？
◆たぶん、
５分間隔ぐらいに、
順番ずつついていくんです。
いまだに原始的な方法で火を回して、
合図して、
あえて今でもやってるんですって。◆そうですか。
何されてますの？仕事は。
◆整体師です。
うちの患者さんで大文字関係の方
がいらっしゃるので。
その方にお伺いしました。
◆ええ患者を持ってるわ。
何してまんの？ここで。
◆ええ石、ないかなと思って。
◆ええ石というのはどういうこと
ですか。
きれいな石？
◆きれいな石じゃなくて、趣味で
石を積むんですよ。
ロックバランシングって聞いたこ
と、ありますか。
◆ロックバランシング？
◆石をバランスのみで積み上げて
いくアートがあるんです。
◆よう自然の中で、石が、
おきひんなという石があったりするじゃないですか。
それを人工的にやるアートですか。◆そうです。
◆ロックバランシングとは一体どのようなものなのでしょうか？
◆ええ？
◆まだ驚くの早いですよ。
もうちょいしてから驚いてくださ
い。
◆いや、驚いたんちゃいますか。
アホなこと、やってるなあって…。
◆奥さん、おられますか。
◆います。◆いてるの？
◆はい。
子供もいるんですけど、全く無関
心です。
◆でしょうね。
そんなもん、何年やってるんです
か、これ。
◆２年半ぐらいやってます。
◆うわ！
◆これまだ、うわっ！じゃないで
す。
◆まだ上やないの！？
うそや～ん！
これ、どこまで行くの？
◆ちょっとうわ～はとっておいてください。
◆言わんとこう。
さっきから、もう
言うたらこれ、倒れそうやわ、
マジですごい！
絶対うそや！
◆これ、できたらすごいですか。◆だって、あなた、
不可能なことをしようとしてるか
ら、
そんなもんできるわけがないやん。ちょっと、これ、
俺、もうおとなしいに見とこう。
◆池西さんの背中を見つめながら、待つこと５分。