まだ19歳。新婚生活を楽しむこともできず、
介護ばかりの日々を何年も続ける
ことになりました。
◆寝たきりのお母さんを
面倒見るって、これは大変やったでしょう。
◆母親が、もう上、下、あかんで
しょう。
19で嫁に来てるのに、普通やっ
たら嫌がるでしょう。
◆普通は無理ですよ。
◆そやから、近所の人が、
奥さんはぐう1個も聞かへんかっ
て。
◆何にも知らないからできたんや
と思う。
今からせえ言ったら絶対できませ
ん。
◆それでも、その当時は…。
◆3年に及ぶ介護の後、ご主人の
お母さんは他界。
しかし、
その後、奥さんのお母さんも介護
が必要になってしまいます。
◆3年ぐらい主人が面倒見てくれ
たんです、逆に。
やっぱり私が厳しいから、
ノブちゃんでなかったらあかんて言うんです。
ノブちゃん、ノブちゃんって。
◆我が親は厳しくしてしまうし。
◆厳しかったです。
50過ぎてから面倒を見らなあか
んから、自分もしんどいじゃない
ですか、つらかったんですよ、
母のほうが。
そやけど、そんなん言うたらあか
んて。
◆優しいわあ~。
◆すごい我慢して。
◆お父さんは、自分の親をみても
らったから。
お父さん。
◆もう動けん母をね。
◆古い男は
泣けへんと聞いてましたけど。
◆車椅子に乗せて。◆あんみつ食べてたときから…。
仕事の横でおばあちゃんと一緒に
仕事してくれました。
◆お父さん、よっぽどうれしかっ
たんですね。
見てもらったというのが。
◆それはね。
死ぬまで忘れません。
◆私もです。
死ぬまで忘れません。
◆何ちゅう、ええ夫婦なんですか!
◆いや、そんなんじゃなくて…。
◆お互いの親を7年介護しあい、
子育ても落ちついた豊嶋さん夫婦
には、
最近になって、ようやく2人の時
間ができてきたそうです。
◆父と母を見送ってから
恋愛してます。◆だから、
今こうやってバイクで一緒に行っ
たりとか。
◆もう見えてなかったんですよね、
若いし。主人のよさが全然わからへんし、
今、大好き。
◆すごい。
◆お父さんはどういうところが好
きですか、
お母さんの。
◆もう全部や。
◆お母さんやなかったら、
あきませんでしたね。
◆それはそう!
ここまで来られたのは
うちの家内のおかげ。
◆この夫婦のほんまに希望という
か、目標にさせていただきたいと
思います。
◆とんでもない、とんでもない。
◆ぜひこれ、もらってください。
「となりの人間国宝さん」、
認定させてもらいますんで、
お二人に。
◆お父さんうれしいね。
お父さんがいただかな、これは。
◆ありがとう!
◆子育てと介護を終え、
ようやく訪れた2人の時間。
それはきっと、
甘党のご主人も満足するほど、
あの日のあんみつより
甘いものに違いありません。
◆何か、これから2人でやりたい
なと
思っていることとか、
こんなことしてみたいなとか。◆田舎暮らしがしたいんです。
もうずっと探して。