読レビ

奥さん　ええ人やな。
私やったら　速攻捨てるけどな。
ははっ。ピピッ　カシャ！
撮っといて。
ピピッ！
周一郎さんが住んでた頃と
全然違うやろ。
これがな　私が最後に見た景色。
ふふっ　大阪の街を全部いっぺんに見とこう思てな。
美しいです。
ありがとう　生きていてくれて。
また　あなたとこうして
お会いできることができました。
はははっ　あんたの→

その歯の浮くようなせりふ聞くん久しぶりやな。
ははははっ　さぶいぼ立つわ。
どんなふう？ここから見える大阪は。
音楽が生まれそうです。
あなたと私のための音楽が。
はははっ　ほんま　変われへんね。


何でも音楽に結び付けて。
せやけど　私
あんたのピアノ聴いたことないわ。
何話してんねやろな。
でも　楽しそう。
おばあちゃん
女手一つで私のお父さん育てて→
苦労した人やったから。→
なあ。→
４０年も同じ人　好きでいるなんて
できると思う？→
おばあちゃん　異常やない？
俺はできると思うよ。
４０年？
いや→
もっと長く。
永遠より長く。
うわ　はっず！
えっ？
あんたと話してると
あぁ～　さぶいぼ立つわ。
いや　何でやねん。
うわ～　寒っ。
かっこよかったやろ　今の。
寒い寒い　寒い。
ファイブ　シックス　セブン。
♪♪　私は　私でええのかな
♪♪　好きでええのかな
ちょっと待ってください。
ちょっと代わってもらえますか？

（日向子）はい。
すいません　リハーサル中に。
はい。
え～っと　このピアノは　皆さんが
お使いになるやつですか？
≪あっ　そうです。
何　話してんねやろ。
えぇ～　皆さん
ちょっとお時間を拝借いたします。
私は→
ある女性と４０年前　恋に落ちました。
彼女のために→
１曲ここで演奏させていただきます。
♪♪～（ピアノ）
♪♪～
♪♪～
♪♪～
♪♪～
♪♪～
♪♪～
♪♪～
♪♪～
♪♪～
♪♪～
♪♪～
♪♪～
♪♪～
♪♪～
♪♪～
（拍手）

あなたのための音楽です。
あのころのこと
いっぱい思い出した。
せやけど　不思議やね。
二十歳になるまではすっごく長く感じたのに→
それからの４０年は
あっという間やった。
飛ぶように過ぎてった。
きっと　それは僕たちが飛んでいたからです。
助走を終えて　一気に飛び立った。
逆風を上昇気流に変えて。
これからも
飛び続けていけるんやろか。
はい。
今のあんたの笑顔　見たかった。
４０年分　劣化しました。
けど　見たかった。
私な　あんたの顔→
ほんま　めっちゃ好きやってんよ。
私も　あなたのことが…。