何とか たどり着く>
フゥ~!
<ヴィンソン・マシフの最終拠点>
<ついに 南極大陸最高峰→
その喉元に着けた>
<明るいが 時刻は すでに…>
<急いで 体を休める>
<順応なしの強行策>
<不安要素が山積みの中…>
<アタックの準備を行い
床に就いたのは…>
<睡眠時は高山病になりやすい>
<山男の小久保さんがひと晩 イモトに付き添う>
<クリスマスの朝>
<すると イモトの元に…>
<それは…>
<幸い 高山病は 軽い頭痛だけ>
<睡眠も 6時間 取れた>
<疲労は残るが 今のところ天候は味方してくれている>
<それでは 説明しよう>
<難所となるのは ただ1つ>
<左右が切れ落ちたルートで
足場には…>
<さらに 明日以降

悪天となるため…>
<ついに始まる!>
頑張ろう!
絶対 ヴィンソン・マシフ 登るぞ!(一同) えい えい お~!
<頂上稜線までは→
ご覧のような


緩やかな斜面が延々と続く>
<そう! 天候は下り坂>
<下山のことを考えると→
頂上稜線までは
できる限りスピードを出して→
貯金をつくっておきたい>
<風がなければ汗ばむほど暖かい>
<しかし 頂上に近づくにつれ→
そうはいかない予報>
<汗ばんだウエアが
きんきんに冷やされる>
<あれこそ
歴代の冒険家が憧れた…>
<左側から回り込み
頂上稜線を登って行く>
<頂上稜線までは→
なだらかで 難所となる所はない>
<だが このエリアで なぜか…>
<厳しいルートの場合適度な緊張感で→
アドレナリンが分泌されるが→
単調で緩い傾斜ではかえって 疲労が押し寄せる>
<それこそが
ヴィンソン・マシフの仕掛けたトラップ>
<順応していない体が…>
あ~…。
やっぱ あれなんだよ。
<最終アタックとは思えないほど隊の足取りは重い>
<24時間
耐えなければならないのに→
序盤の序盤で 危うい空気>

<しかし…>
<早くも…>
はい。
<この時点で
この精神状態は危うい>
<なぜなら
まだ 山頂は はるか かなた>
<声を張り上げ
己を鼓舞して登る>
ファイト~!
<だが わずかに ともった闘志を→
ヴィンソン・マシフは…>
(風の音)うわわ!
<目指す頂が近づくにつれ→
強さを増して行く風>
<圧倒的な自然の猛威に→
力なく あおられる>
<いつものイモトならば
逆風でこそ 闘志を燃やし→
根性で立ち向かって行くのだが→
一度 止まった足がなかなか 前に出ない>
そうだね。
<心が浮き沈みを繰り返す>
<引っ張られるロープに
ただ 身を委ねるだけの行軍で→
息も絶え絶え>
<何とか…>
<ここが 休憩できる
最後のポイント>
あ~…。

<現在地は ここ>
<頂上稜線は…>
<強風の中 進む>
<一歩一歩 踏ん張れる体力と
強い気持ちがなければ→
すぐさま 吹き飛ばされてしまう>
<ここまで来ても なお闘争心に火が付かないイモト>
<その歩みには 全く力がない>
<そして ごまかしながらも前に進んで来た…>
<ここまで来ても なお

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