2019/12/28(土) 22:00〜23:00 SWITCHインタビュー 達人達(たち)・選「舘野泉×中村桂子」[字]

フィンランドのある管弦楽団のコンサートが→
開演3時間前に迫っていた。
ピアノを演奏するのは 日本人だという。
車いすに乗る こちらの男性…
フィンランドを拠点に演奏活動を行ってきた舘野。
この日は 日本とフィンランドの
国交100周年を祝う特別な舞台だ。
♪♪~(ピアノ)
舘野は 左手だけで演奏する。
17年前 脳出血で倒れた後遺症で
右手が まひ。
以来 「左手のピアニスト」として
活動を続けている。
(拍手)
満員の観客に迎えられ 開演。
♪♪~(演奏)
♪♪~
1曲20分を超える ピアノ協奏曲。
この日 舘野は 2曲を弾ききった。
(拍手)
大勢でね。 うん。
そんな舘野の対談相手が→
この日コンサートを見に やって来ていた。
どうも ご無沙汰してます 本当に。
本当に 何か すばらしかったです。
舘野の大ファン
だという女性…
今も最前線で活躍する研究者だ。
男社会だった生物学の世界に飛び込んでいったのは 60年前。
女性科学者のパイオニアでもある。


そんな中村が提唱した新しい学問…
DNAの研究を主体とする
分子生物学をもとに→
38億年に及ぶ 生命の歴史を読み解き→
人間の生き方まで考えていこうというものらしいが→
分かるようで 分からない。
舘野も そんな新しい分野の研究に興味を寄せていた。
我々は もちろん…
…だと思うんですよね。
そういう面で いろいろと…
舘野さんは もちろんピアニストですけども→
私 生き物のこと やってますでしょ?
やっぱりね こう…
…と思うんですよ。 だから 何か→
音の技術とか そういうことじゃなくて→
舘野さんが こう
生き物としてというかな…
共に 今年 83歳となる2人。
激動の昭和 平成を駆け抜けてきた彼らのトークから見えてきたものとは…。
あっ 本当ですか?
…と思って。
そうですね そうですね。
♪♪~
東京 自由が丘。
まずは 中村が舘野の自宅を訪問する。
♪♪~
あっ ここでした! ごめんなさい。
ああ どうも!
は~い。
何か… 本当に→


楽しみにしてまいりました。どうもありがとうございます。
8年前
仕事で顔を合わせたことのある2人。
じっくりと話すのは それ以来だ。
世界中を演奏で飛び回る舘野。
現在 1年のうち およそ3か月を
妻と共にフィンランドで過ごし→
残りを日本で暮らしている。
わあ…! うれしい。私 こんなにピアノの近くで…。
築80年を超える生家。
リビングに置かれているのはスタインウェイのグランドピアノだ。
ふだんは ここで 一人で
暮らしてるもんですからね。はい。
ああ そうでらっしゃいますか?
で お食事なんかは?
えっ! ご自分で お作りに…。
で 自分で洗う。
えっ 本当ですか?
本当ですか? 何か あの…→
お料理で お得意なものは何ですか?
いや もう…。
得意だなんて そんなこと言いません。
はい。
(笑い声)
口から入るものは…。入るものは…。
そうです そうです!
そっちの液体のほうが→
お好きでらっしゃるから。
そうです。 そちらも好きで…。
これ 本当に懐かしい。

私も まあ 白状すれば…。
もう 舘野さんは よくご存じだけど
同い年ですので。そうです。
ですから こういう感じが
やっぱり 身に染みついてて。
子どものころ
こんな感じで暮らしてましたから…。
やっぱり こういうの
残してらっしゃるって すばらしい。
ここ… このお家は ここには→