2019/12/30(月) 11:00〜11:50 NHKスペシャル選「イチロー 最後の闘い」[字]


ライナーが飛んだ。 つかんだ!
(歓声)
(実況)イチロー・スズキ!
そして 2001年 イチローは→

野手として日本人初となるメジャーデビュー。
メジャーの豪速球
多彩な変化球を攻略するため→
日本で磨き上げたバッティングを
大きく変えた。
この年 新人王 首位打者


MVPと タイトルを総なめに。
その後も毎年
200本安打 ゴールドグラブ→
そして
オールスター出場を達成した。
その真骨頂は
甘い球を待つのではなく→
相手ピッチャーの決め球を
打ち崩すことにあった。
メジャーの名だたる選手たちが
語り継ぐ打席がある。
歴代最多セーブを記録した→
ヤンキースマリアノ・リベラ投手との対戦。
バッターの手元で鋭く曲がる
カットボールは→
来ると分かっていても
攻略できない魔球だ。
だが この打席。
イチローはボールの軌道を完璧に見極め→
体の重心を僅かに傾けて
フルスイング。
(歓声)
バットの真芯でとらえスタンドにたたき込んだ。
芸術的な イチローの
バッティングを目の当たりにし→
ヤンキースベンチは
衝撃を受けたという。
僕は思わず叫んだよ。
なんてすごいんだってね。
イチローは

直感的に体を倒したんだ。
リベラのカットボールを
打つためには→
そうするしかないと
感じたんだろうね。
そして 打球は
スタンドに飛び込んだ。
イチローは
あのサヨナラ逆転ホームランで→
試合をひっくり返したんだ。
ヤンキースベンチは皆 打ちのめされてしまったよ。
しかし イチローは→
どれだけ輝かしい記録を打ち立てても→
自らの打撃を
変えることをやめなかった。
打席の立ち位置や腕の振り
僅かな重心の変化など→
理想の打撃を追求してきた。
言えることは 最終的な形はないということなんですよね。
これがまた
残酷なとこなんですよ。
打つということの。
打撃の技術として最終形がないということが…。
だから前に進もうとする意欲も
生まれてくる→
とも言えるんですけど。
もちろん あります。必要かどうかは…。
本当はしたくないですよ。
本当はしたくない。
そのまま ずっと

上がっていきたいです。
前に進みたい…
なかなかそうはいかない。
はっきりしているのは
近道はないということですよね。
遠回り 後で考えると
これ 遠回りだったな→
省けたらよかったなって思うこと
確かにあります。
でも それは一番近いです。
ある… 自分のぼんやりとした理想に近づく一番の方法は→
遠回りをすることだ
というふうには→
今は はっきりと言えますね。
数々の記録を打ち立ててきたイチロー。
その最大の転機が
2012年の→
ニューヨーク・ヤンキースへの
移籍だった。
僕自身も環境を変えて
刺激を求めたいという→
強い思いが芽生えてきました。
その前年 37歳のイチローは→
極度の不振に陥り
10年続けてきた→
200本安打 ゴールドグラブ
オールスター出場→
全てを失った。
環境を変えることで新たな可能性をつかみたい。
イチローは あえて第2の故郷