2020/01/26(日) 23:00〜23:30 美の壺・選「砥部焼」[字]

♪♪~(テーマ音楽)
♪♪~
(草刈)あっ いてっ。 いてっ。
あ~ いてててて。 あ~…。
草刈さん どうしたんですか?そのほっぺた。
えっ? いやね 妻と ちょっと
やっちゃいましてね。
夫婦げんかで そのケガ!?
あっ いててて いてっ。
ほら これ。
こんな ごっついのが飛んでくるんですよ。
あっ いて…。
しかしね これね 見て下さいよ。
ひび一つ入ってないんだ。
そりゃ 頑丈ですよ。
そのお皿 砥部焼ですから。
とべ… やき?
けんか器の異名を持つ 砥部焼。
夫婦げんかで投げても壊れないほど頑丈な器といわれ→
人々に愛されてきました。
頑丈な理由は→
砥部焼独特の
ぽってりとした厚みです。
生まれたのは 江戸時代。
茶わんや丼などふだん使いの器として→
厚手に作られました。
砥部焼は海外でも人気になります。
明治時代に入ると
中国にも大量に輸出されました。
厚みがあるため


保温性にも優れる砥部焼。
うどんの丼などに
よく使われています。
もう 冷たいものは冷たく
温かいものは温かくっていう。
ほかの器よりも冷めにくいとか→
温かくなりにくいっていう特性があるんで→
魔法瓶にも負けないような印象は
ありますよね。
砥部焼のもう一つの特徴が
絵柄。
いろいろな料理に
合わせやすいと→
シェフたちに人気です。
♪♪~
伝統的な砥部焼に飽き足らず→
新しい造形に挑戦する作家も次々と現れています。
♪♪~
人々に愛され続ける砥部焼。
今日は 砥部焼の魅力に迫ります。
東京・新宿区にある保育園です。
こちらでは 20年前から→
給食の食器に砥部焼を使っています。
砥部焼は 適度な重みがあるので
滑りにくいのだとか。
器が安定しているため→
子どもでも扱いやすいのです。
♪♪~
以前は プラスチックの軽い食器を使っていましたが→
砥部焼に変えてからは→


食べ残しが減り完食する事が増えました。
お代わり。
はい。
その質感の重みもあるし→
本物の持つ その重みも→
両方あるんじゃないかなと
思うんですね。→
その事によって
両手で しっかり→
食事をする事ができるように
なっていました。
砥部焼の
この食器を使う事によって→
子どもの食べる意欲が
育ったんですね。→
例えば もっと食べたいとか→
自分が食べられて うれしいとか→
そういう事が育つなあと
思いました。
砥部焼の厚みと重さが生む効果。
今日 1つ目の壺は→
「厚みに込めた思いやり」。
100を超える砥部焼の窯元があります。
砥部焼最古の窯元です。
砥部焼の材料は地元で採れる陶石です。
ろくろに土を載せ 引き伸ばし→
厚みを整えていきます。
♪♪~
ぽってりとした器が形づくられました。
ここに

厚みの工夫が隠されています。
断面を見ると→
厚みが 場所によって異なります。
底に近い部分は およそ19ミリ。
側面は およそ12ミリ。
底に近い部分ほど
厚みを持たせているのです。
この厚みの違いは→
使う人の感覚を考えた工夫だといいます。
苦にならない重さを求めて