そして 太平洋から海水が一気に流入したのです。
山々の頂上部分が取り残され
島々へと変身していきます。
陸上動物たちの楽園は
失われることとなりました。
しかし それと引き換えに生まれたのが
絶景 瀬戸内海です。
この 日本最大の内海の誕生によって→
本州から四国が切り離されることとなりました。
ジオ・カレンダー
12月29日の大変身でした。
ジオ・カレンダーの師走で走ってんのは
何を隠そう ゾウさんってわけだね。
パオ~ン。
さすがてんやわんやの列島変身の時代だね。
これだけじゃあない。
師走には てんやわんやそして やんやと激動が打ち続くのさ。
瀬戸内海の更に西 九州に伝わる→
世にも不思議な物語だよ。
瀬戸内海が誕生し始めた頃→
九州でも大変身が始まっていました。
科学者が そう考える
きっかけになったのは→
大分県の別府湾に沈んだという
ある島の伝説です。
島の名は 瓜生島。
古文書にはおよそ400年前 豊臣秀吉の時代に→
島が一夜で沈んでしまったと
書かれています。
不思議な伝説の島を求めて→
これまで 何度となく調査が行われてきました。
しかし 島の確かな証拠は
見つかりませんでした。
なぜ 島は消えたのか?
海底を40年以上もの間 調査してきた由佐悠紀さんです。
これは
音波を使って捉えた海底の断面図。
真ん中が
階段状に 大きく落ち込んでいました。
落差は 30mにもなります。
「地震とともに 海底が沈下→
その影響で 瓜生島は沈んだ」。
由佐さんは そう考えました。
「島沈没の原因は
地下を調べれば分かるはずだ」。
由佐さんは 別府湾から西へ
2,000か所ものデータを集めました。
九州西部のデータと合わせると…。
地下の硬い岩盤に巨大な溝が見つかりました。
九州をまっぷたつに分ける
地底の谷。
地溝帯と呼ばれます。
最も深い所はなんと 2,000mもあります。
一体 なぜ こんな巨大な溝が
出来たのでしょうか?
長崎県の生月島。
地溝帯を生んだ謎を解く鍵がこの絶景に隠されているといいます。
塩俵の断崖です。
何本も突き立つ 岩石の柱。
柱状節理と呼ばれる構造です。
大量にあふれ出た溶岩がゆっくり冷えて固まると→
規則正しく割れて
柱のようになります。
この岩の柱が 地溝帯を生んだ謎と
どう関係しているのでしょうか?
新城竜一さんは 地下のプレートの運動と
岩石の成分の関係を調べることで→
謎を明らかにしました。
マントルとは地下深くにある 高温の分厚い層。
マグマを生む源。
まさに地球の地下を支配するラスボスです!
地下600kmを超える深さから
超高温のマントルが上昇し…。
大量のマグマが 地上に噴出。
その結果大規模な柱状節理が生まれたと→
新城さんは考えました。
このマントルの上昇流こそが→
巨大な地溝帯の形成に
深く関わっているといいます。
地下深くから大量に上昇したマントルが
どんどん広がります。
東側の地下で待ち構えるのは
フィリピン海プレートです。
巨大なプレートと灼熱のマントル!
地下を支配する両者が激しく ぶつかり合います。
一体 何が起こるのか?
地震波のデータによって激突の結果が判明しました。
青色上面の黒い線は
フィリピン海プレート→
左側の赤や黄色は マントルです。
この部分。
なんと フィリピン海プレートが
急に折れ曲がっています。
新城さんは これこそが→
九州を引き裂き 地溝帯を生んだ謎の力の正体だと結論づけました。
フィリピン海プレートが押し込まれると→
この部分 沈み込む場所が動きます。
鍵は ここ。
陸のプレートが一緒に引っ張られ続け→
その結果 大地が裂けていったのです。