どういうきっかけで?
吉田≫僕は寝耳に水で
事務所が出そうって言いだして
ありえないだろう、僕の写真集は
誰も買わないだろうって。
だから余っていますからいっぱい。
大吉≫57歳で
ファースト写真集はなかなか
ありそうで、ないですね。
吉田≫自分としては
うれしいなと思いましたけれど。
近江≫おひげはいつから
生やされているんですか。
吉田≫シェイクスピアの芝居が
多かったので
どうしても貫録を持たせるために
20代のころから
はやしていました。
近江≫それが今や
チャームポイントと言われて。
吉田≫それなくなっちゃった
んですよ。
大吉≫でも役によっては
そったりもするんですね。
吉田≫基本的には。
近江≫現在、舞台公演中で
お忙しいところですけれど
この1年のスケジュールを
まとめさせていただきました。
大変な1年でしたね。
2月公演の「ヘンリー八世」は東京の4公演と地方公演は
すべて中止になってしまいました。
吉田≫一部中止です。
近江≫6月公演予定だった
「ジョン王」はポスター撮りが
終わって稽古に向けて準備をして
いる最中に中止に
なってしまったんですね。
大吉≫この2つの舞台の合間に大河ドラマがあったんですが
これも撮影が休止ということで
結果的に約3か月間お芝居が
できなかったんですよね。
もちろん俳優人生で
初めてですよね?
吉田≫初めてです。
本当に何もしていませんでした。
大吉≫どういう心境でしたか。
吉田≫割合、忙しく
させていただいていたので
ちょっと休めるかなって
ぶっちゃけ思ったんです。
でも2週間ぐらいたってから
そわそわしてそのとき初めて
足が地につかないというか
これは何なんだろうなって
お芝居したいという気持ちに自然
になっちゃっていたんですね。
だからやっぱり自分は
お芝居をしたい人間なんだなと改めて思ったりしました。
近江≫改めて考える時間にも。
吉田≫なりましたね。
なんとなくずっと
やってきましたが
自分が本当にお芝居を
やりたいのか、やりたくないのか
どこかで
いつも考えてりしていたので
わりと考えるんですよ、役者に
なってよかったのかなって
自問自答をしていたので
あの2週間でお芝居をやりたい
気持ちがむくむくと
湧き上がってきたので
自分は役者をやりたい人間だなと
改めて思いました。
大吉≫中止になったものは
コロナが落ち着いたら
できるというものでも
ないんですか?
吉田≫主演の阿部寛さんも
悔しいからぜひやりたいと
おっしゃっているので
「ヘンリー八世」はやります。
それから
小栗君も久しぶりの舞台でやる気満々だったので
またやろうという話になって
安心しています。
大吉≫そして
今は公演中なんですね。
吉田≫なんとか
やらせていただいています。
大吉≫コロナ禍ということで
劇場のお客さんの雰囲気は
違いますか?
吉田≫全然、違います。
いつもに増してお客様も
舞台を欲している。少し緊張なさっているんですよね。
身構えて、いい緊張と
いうんですかね。
見せてもらいますよという