感染を広げることになる」。
危機感を強めています。
≫中にはPCR検査の結果を待つ間に
外出するというケースも。
≫この日、連絡を取ったのは陽性が判明した30代の女性です。
≫女性の職場では感染が広がり
職場全員のPCR検査を行うことになりました。
≫感染拡大に
歯止めがかからない中
新たな懸念が高まってきました。
変異したウイルスです。
イギリスで猛威を振るい
世界的に大きな問題となっています。
WHO=世界保健機関は
変異ウイルスの広がりを注視する必要があると
各国に呼びかけています。
≫現在日本では、入国者を中心に41人の感染が確認されています。
強まる変異ウイルスへの危機感。
国立感染症研究所は全国の衛生研究所から
陽性者の検体を集め
監視を強化しました。
しかし、今は
ウイルスのすべての遺伝情報を解析する必要があるため
時間がかかり調べられているのは
全体の1割程度です。
そのため、より迅速な
検査方法の開発を進め
全国的な検査体制の強化を
目指しています。
≫この動きに先駆けて
先月末から、独自の方法で
検査を始めたのが
東京都の衛生研究所です。
≫現在問題となっている
変異ウイルスは、いずれも
遺伝情報の共通した場所に
変異が起こっています。
そこで検体のウイルスの
同じ場所に限定して
調べることにしました。
一致していれば変異ウイルスだと判定されます。
検査を始めてから、これまでに
調べたのは、およそ1040件。
まだ変異ウイルスは
確認されていません。
万一、変異ウイルスが
広がると何が起きるのか。
先月、イギリスの大学が
公表した論文です。
1人の感染者から
何人に感染が広がるのかを示す
実効再生産数が
これまでに比べ
0.4から0.7高いと
分析しています。
実効再生産数が高くなるとは
どういうことなのか。
例えば実効再生産数が2の場合
ひと月後の感染者は累計で127人。
実効再生産数が3になると
ひと月後に、1093人に感染することになります。
武田≫変異ウイルスや
年末からの感染の急拡大。
日本は新型コロナとの闘いで
新たな局面を迎えていると思いますけど
尾身さんは今、最も危機感を
感じてらっしゃることは
どんなことでしょうか?
尾身≫私が感じる最も強い危機感は
国や自治体からの
行動変容の要請に対する
一般市民の協力が
得られにくくなっていることだと思います。
確かに、人流などは
少しずつ減っていますが
まだ期待される
レベルではありません。
特に、一部の若い人に
いわゆる3密の回避など
行動変容の必要性が
ほとんど伝わっていないということが
現実としてあります。
私たちが伝え切れなかったこのメッセージを若い年齢層に
伝わるよう
SNSやITに強い人々
あるいはマスコミの関係者の
人々などにもですね
このメッセージの拡散に
協力していただければと思います。
武田≫東京の
新たな感染ですけれども
おとといが1502人。
きのうが2001人。
そして、きょうが1809人と
高い水準です。
緊急事態宣言や
政府の呼びかけの効果、現時点で
どう捉えていらっしゃいますか?
尾身≫緊急事態宣言発出の効果を判断するには
まだ少し時期尚早です。