用意しておく、空床を
用意しておくということは
現実的でないですね。
従って
今、一番求められているのは
危機に対して
機動的に対応できるような
システムと多くの医療機関が
協力してもいいと
思えるような財政的な
支援体制の構築というものが
今、求められていると思います。
それよりも今もっと重要なのが
実は、感染をともかく早く
沈静化することだと思います。
浅野≫いかに医療崩壊を防ぎ
感染の爆発を抑えるか
今、出されている
緊急事態宣言についてですが
気になる予測があります。
数理モデルを使った
感染症の分析が専門の
西浦教授のシミュレーションです。
東京都の感染者数の場合
去年の緊急事態宣言と
同等のレベルの
効果があったと仮定すると
2月25日には
1日100人を下回る計算です。
ここで緊急事態宣言を解除して
元の状態に戻ったとしても
7月中旬まで
1000人を超えることは
ありませんでした。
一方、緊急事態宣言の効果が弱く2月24日に
1日500人までしか
減らなかった場合
そこで宣言を解除すると
4月14日には1日1000人のレベルで
戻ってしまうといいます。
武田≫西村経済再生担当大臣は緊急事態宣言の
解除の基準に関して
例えば、東京都の感染者が
1日当たり500人を
下回ることが目安になるという
認識を示しているわけですけど
尾身さんご自身はこの緊急事態宣言を
解除するための
条件、どんなことがあると
お考えでしょうか?
尾身≫私は条件というのは私の考えは、3つあると思います。
1つは、感染レベル、それから
医療体制の負荷という意味で
ステージ3のレベルに
早く下げるということがまず1点目。
それから、2点目は、そのうえで
感染状況、医療負荷の
ただ、ステージ3に
いっただけじゃなく
その改善傾向が
一定期間、続くということ。
それから3番目に
さらにステージ2まで
下がる見込みがあるということ
だと思います。
つまり、このことは
ひと言でいえば
解除後に起こりえる
感染のリバウンドを
なるべく低く抑えるような形で
解除することが重要だと思います。
武田≫ただ、私たちが
どこをゴールとして
認識していればいいのか
ということなんですよね。
東京で1日当たり
500人という目安は
これ、どう
捉えればいいんでしょうか。
尾身≫もちろん感染者数ですよね。
これは、一つの目安になりますが
それ以上に、私は医療機関
あるいは保健所への負荷が
十分に軽減されることが
重要だと思います。
例えば、感染者数を
Xと仮に仮定して
その数を
クリアしたとしてもですね
実際に医療機関
保健所への負荷が
改善されなければ
目標を達成したとは
いえませんよね。
したがって、われわれのゴールは先ほど、VTRであったように
すでに限界に達している医療機関
あるいは保健所への
負荷をなるべく早く
軽減することだと思います。
数だけではないです。