んかというと、どんだけかかった
か。
正直ね、何するのにもお金かかっ
てるよ!
僕は今、重々自分の体で身にしみています。
こんなかかるかと。
いずれわかったときに、
感謝してください。
お父さんの仏壇に手を合わせて、
◆死んでんのかい!
◆チーン、お父さんありがとうな。
感謝してください、そのときはね。◆ええお供え、しといてな。
◆確かにね。◆43歳のとき、
一から自転車に関する技術を学び、
営業職から自転車屋さんに転身した
高橋さん。
少ない経験でも、
地元の人気店となっているのは、
お客さん側に立った高橋さんの
親切なアドバイスが好評だから。
◆パンクもね、
大体、皆さんのイメージの中やっ
たら、どちらかというと、
釘とか、
画びょうを踏んじゃったわという
イメージがあるじゃないですか。
あれってね、ほとんど踏んでこな
いんです。
意外でしょう。
ほとんど踏まないんです。
一番多いのが、
皆さん、空気ってやわらかくなっ
てから重たいから入れておこうか
なみたいな感じで、入れてた思い
出があると思うんですよ。
そうすると、タイヤの中にこれが
あって、これがしぼんでくるじゃ
ないですか。
ほんならすき間ができてくるイメージわかりますか。
◆わかります。
◆中で、こすれるんですよ。
こすれたら、こんなふうに全部、
ぼろぼろになるんです。
ニキビの跡みたいになってます。
これ、1個1個、穴があくんです。
◆それでパンクが起こると。
ということは、パンクを予防しよ
うと思えば、定期的に空気を入れ
る?
◆だからうちは、
今月、今、空気入れて売ってますよね、
次、9月の末にまた持ってきて~
って言うんですよ。
それをちゃんとやってたら、
パンクしないよというのをこれを見せながら説明するんですね。
◆それでもね、やらしい話ですけ
ど、
パンクせえへんかったら、幾ら安
いとはいえ、
商売としては?
◆まあまあ…。
◆空気は、ただですか。
◆もちろん。
僕が入れます。
うちらが売ってるのは、
チャリを売ってるんじゃなしに、
感動と安心を売っている店なんで
す。
◆この色黒の人がそんなええ話。
◆格好ええでしょう?
◆格好いいというか…。お父さん、こんなん?
◆いや、ちゃいますね。
◆きょう格好つけてる?
◆はい。
◆おまえ、きょう、給料なしや!
◆ほかにもこちらでは、閉店後に
修理に来てしまったお客
さんが
自由に乗れる代車を用意。
そして、ちょっと変わった方法で
お店を宣伝しています。
◆お店って、
なかなか自転車屋ってどこにあるかわからないじゃないですか。
こういうのを自分でつくって…。
◆手づくり感すごい。
◆何これ?
チューブで。◆こうやって持って、そこら辺の
駅とか、道端の人がよう通るとこ
ろで、これを見せて声をかけてる
んですよ。
こんなふうに、
真っ黒になったんです。
◆それこそ、今はSNSの時代じゃないですか。
こんなアナログな。
◆アナログなんです。
◆高橋さんは、
懐かしのサンドイッチマンさながらのスタイルで
お店をアピール。
直接、コミュニケーションをとる方法で新たな顧客を獲得し、
売上も上々。