鉄棒はできへんわなって思いますよね、普通は。
＞＞体操選手にとっては、
致命的ともいうハンデ。しかし、
城間コーチは西川の誰にも負けな
い才能に気付いていた。
＞＞西川は、僕が言ったことなん
でもやっていくんですよ。
すごく練習します。
＞＞西川には、努力という才能が
ある。
結果を出すために足りないのは自信、ただそれだけ。
そして２人が中学２年になった春
、ある転機が訪れる。
＞＞よし、西川やってみよう。
＞＞お願いします。
＞＞右手だけで回る片手車輪とい
う技の練習中。
＞＞あっ。
＞＞西川が鉄棒から落下。危険なミスだった。
＞＞やっぱりこの指じゃ、無理だ
。
＞＞ここで、
城間コーチは驚きの行動に出る。
＞＞幼いころのけがで、
親指の先を失った右手での練習中、
鉄棒から落下した西川。
＞＞やっぱりこの指じゃ、無理だ。
＞＞その様子に気付いた城間コー
チは。
＞＞よし、池谷、
次いこう。
＞＞池谷に対しても同じ練習を指
示し、
補助に回った城間コーチ。
が、次の瞬間。
＞＞うわー、ミスった、悔しい！
＞＞池谷も西川と同じように落下
のミス。
実は。
＞＞故意的に池谷もできへんよう
な感じで補助して、
下に落としたんですね。
＞＞そう、城間コーチは補助する
と見せかけ、
池谷の手を外して、落下させていたのだ。
＞＞見ろ、西川、
池谷も失敗するんや。一回落ちたくらいで落ち込むな。
＞＞はい、もう一度お願いします
。
＞＞やってみ。
＞＞エースの池谷でも失敗はする。
ささいなことが、西川の気持ちを
軽くした。
＞＞西川に自信つけさすためにで
すね、
親指のかけたほうやからね、
だからもしかしたら俺は親指ないから飛んだのかなって思われたく
なかったんですね。
＞＞その後、
城間コーチのねらいどおり、心も
技も成長を続けた西川。
キャプテンとして迎えた中２の全
国大会では。
１年前、
歯が立たなかった池谷を破り、堂々の優勝を飾った。
＞＞安心しながら、どきどきしな
がら、着地決まったりしたら、も
のすごいうれしかったですね。
＞＞もうそのときですよね、
永遠のライバルになるだろうなと
。
西川君に勝てないと、１位になれ
ないなっていうのは。
＞＞こうしてチームメートから永
遠のライバルとなった２人。
清風コンビ、大活躍の原点には、
２人を知り尽くした恩師の粋な計らいがあったのだ。
＞＞完璧な演技ですよ。
＞＞ソウルオリンピックから３０年。
現在、西川は母校、日本大学の体
操部でコーチを。
池谷も、
自身の体操クラブで未来のオリンピック選手を育てている。
指導者を巡るマイナスな話題も多
い体操界だが。
＞＞やっぱりそれは東京オリンピ
ックに向かって、
これからスポーツが発展するに向
かっての、チャンスだと思うんで
すよね。
これだからそのままずるずるずるずるいってたら、たぶん、もっと
よくない状態になっていくと思う
んで、
それがちゃんと整理されて、よく
なっていくことが、次、スポーツ
がもっと発展していくきっかけに
なると思いますし。
＞＞２年後の東京オリンピックへ
。
２人の願いはただ一つ。