それはそうです。
◆パンです。
◆パン?
パンつくっているんですか。
◆西陣製のパンでございます。
◆西陣製のパン?
元!冗談、言いましたね?元工場長。
◆京都の西陣織の製品をこちらの
ほうで製作しております。
◆えっ、西陣織といったら高価な
ものですよね?
ここでつくってるんですか?
◆はい。
◆見てもいいですか。
◆はい、どうぞ。
◆うわっ、すごい!
◆昔ながらの
手織りで織ります
西陣の織物を…。◆これって、幾つの時代からの機
械ですか。
◆昭和20年代ぐらいですね。
◆20年代ですか。
今、織っておられる方はお若いですよね。
お幾つですか、お年は。
◆36。
◆お若いのに何で?
◆相撲が好きで、こちらの工場を
見学させていただいて、そこから
の成り行きといったらあれですけ
れども。
◆相撲が好きでというのは、
どういうことですか。
西陣織の。
◆私とこ、この西陣の織物だけじ
ゃなしに、相撲ですね、
「まわし」ですわ。
それをあちらのほうで。◆見せてもらってもいいですか?
お願いします。
◆これは相撲用の織屋なんですね。
◆すごいですね。
こんなでかい。
◆今の時代、
昔みたいに織り手がなくなってきて、ほとんど今スイッチを押した
ら勝手に織ってくれる。
ほんで、手織りでやってるのは、
もう日本でもうちだけみたいなこ
とを聞いてますけど。
◆例えば、今やったら誰がここの
手織りのやつを使っておられるん
ですか。
◆大体ですけど、昔は若乃花とか、
若貴とかね、
こういう代からずっと来てるんですけど、
今現在では、
横綱の鶴竜とか、
先場所、たまたま優勝してくれた
御嶽海ね。
あの人が巻いてくれたんですね。
この場所は
変わってますけどね。
◆最高級の西陣織の技術を生かし、
日本で唯一
手織りで「まわし」をつくっていると言われている
「おび弘」。
通常の帯は、縦糸5000本ほどでおさまるところ、
まわしの場合、その6倍の
3万本の糸を使用するそうで、
余りの重労働ということもあって、織り込みするのは、
男性と決められているそうです。
ちなみに、
価格は自動車が買える程度なんですって。
◆ちなみに今、何年ぐらいやって
おられるんですか。
◆僕は、まわしだけでは25~6
年やってます。
◆25~6年ですか。
もう70年ぐらいやってそうな
貫禄が…。
ちょうど歯も抜けて、
それから今ちょうど乳歯が抜けた
ぐらい。
◆これからですか?
◆今は食べられない。
◆今は乳歯が抜けていますから。
やっぱり機械でやるのと、
手織りでやるのでは、
全然、違いますよね?
もちろん。
◆やっぱり違いますね。
◆例えば、それをつけてから成績
が
見てると、ちょっとようなったん
ちゃうかとか。
◆そうですね、そういうなのは
テレビの画面を通しては見ておりますけど。
◆逆の場合もありますし。
◆すごいなあ、
これも。
きれいやなあ。
このあたりも…。