2019/01/28(月) 22:25〜23:10 プロフェッショナル 仕事の流儀「百貨店バイヤー・本田大助」[解][字]


話し合っていくことになった。
(女性)はい どうもね。

本田は こうした飛び込み営業を含めた出張を重ねることで→
商品を次々発掘。
現在 北海道全域に 700件以上の取引先を持つまでになっている。
こうした商品の発掘力と同時に
本田が高く評価されるのが→
これまでにない 新たな商品を生み出す
開発力だ。
この日 向かったのは 去年9月の
北海道胆振東部地震で→
被害が大きかった 厚真町。
本田は 2年前から取り引きする農家を訪ねた。
厚真町には 田畑が土砂で
埋まってしまった農家が多くあった。
ある話を 耳にした。
被災した ある農家が収穫した野菜が出荷できず→
困っているという。
(信子)はい どうぞ どうぞ。
この農家が作るカボチャは


特に糖度が高いと評判だった。
カボチャは食べ頃が近く
少しでも早く出荷する必要があった。
蒸したてのカボチャを出してくれた。
そんな感じですよね。
松平さんのカボチャを全量買い取り→
甘さを生かした いくつかの新商品を開発することにした。
まず 本田が向かったのは
札幌のコロッケ専門店。
この店は物産展に
何度も出店してもらっており→
全国的な人気を博している。
本田は新商品の開発に際しある信念に基づき 行動する。
本田は単にカボチャのことだけでなく
農家の人柄まで伝えた。
本田の話に シェフのやる気に火がついた。
さらに。
つきあいの長いジェラート店に
カボチャの甘みと皮を生かした→
新食感の商品を作ってもらった。
バイヤーとは どの縁を生かすかを考えるコーディネーターであり→
アイデアを磨き やる気を起こさせる
モチベーターでもあると→
本田は捉える。
また さらに 老舗洋菓子店でも。
(女性)それで あんこが入ってて…。
厚真町のカボチャに北海道産の小豆やチーズを組み合わせた→
シュークリームも生まれた。
半月後。
本田は再び カボチャを作る農家

松平さんを訪ねた。
うわっ うわぁ すごい!
とんでもございません。
カボチャの甘さを生かした
コロッケ店の自信作が完成していた。
(本田)いやぁ~ よかったです。
ハハハハ…。
(本田)いやぁ よかったです。
ありがとうございました。
(本田)失礼します。
♪♪~
そこのね おすし。
お疲れさまでした お疲れさま。
(取材者)お写真 見たら…。
ありがとうございました 失礼します。
この町で 本田さんは昭和44年 生まれた。
百貨店に勤めていた母の影響で→
子ども時代は
週末の度にデパートに出かけた。
楽しくて しかたなかった。
いつしか 百貨店に勤めることが夢になった。
平成4年 憧れていた
関西の大手百貨店に入社した。
しかし 入社直後。
始まっていたバブル崩壊の影響で百貨店の売り上げは激減。
おはようございます。
食品担当になった本田さんも営業成績を上げるよう→
上司から迫られた。
他の百貨店の売れ行き商品をまねたり→
ただ ひたすら客に声をかけ続ける毎日。

商品を作る側の思いや お客の気持ちは二の次になった。
それは 社会人3年目の冬だった。
実家で寝ていた本田さんはがれきを押しのけ→
必死に外に はいずり出た。
勤めていたデパートは半壊し休業に追い込まれた。
生活は 一変した。
避難所暮らしが始まったとき。
ある光景を見た。
それは 父 武さんが炊き出しの先頭に立つ姿。
自分も被災したにもかかわらず
父は 率先して動いていた。
周りを見渡すと 誰もが
他の人のためになろうと頑張っていた。
恥ずかしくなった。
それから 本田さんは変わった。
物産展の担当となった本田さんは→
生産者の悩みや夢に親身に耳を傾けるようになった。
そうですよね。
育んだ人の縁を生かしお客が喜ぶ新商品を開発した。
今 本当に 思う。