2019/09/01(日) 19:30〜20:00 ダーウィンが来た!「ぐうたらオスの大変身!ワオキツネザル」[解][字]
メスは この臭いでオスの健康状態などが→
分かるといいます。
恋の相手にふさわしいか臭いで判断するんです。
でも あんまりしつこいと…→
あ~ たたかれちゃいました。
オスたちは
常にメスの顔色をうかがいながら→
懸命にアピールを続けるんです。
そんな ある日のこと。
事件が起こりました。
オスが尻尾をこすって→
メスに向かってアピール。
おや? このメスオスが近づいても嫌がりません。
オスを受け入れる準備が整ったんです。
なんだか いい雰囲気ですねぇ。
そこへ別のオスが近づいて…→
ふだんは仲のいいオスたちが→
メスをめぐる争奪戦を始めたんです。
足を振り上げ相手をひっかきます。
鋭くとがった爪が武器です。
さらにジャンプ。
相手の上から顔を狙って攻撃します。
逃げる時も…→
ジャンプ! お~ これは高い!
相手の上を軽々と飛び越えます。
戦いは徐々にヒートアップ。
あ 一方が倒れた。
ここぞとばかりに集中攻撃!
指に かみついています!
いや~ 容赦ありませんね。
おっと 今度は奇襲攻撃!
大ジャンプ!
うわ~ 空中戦です!
木の上から落っこちながらも
戦っています。
メスをめぐるオス同士の戦い。
全力で ぶつかり合う この姿。
ふだんの様子からは
想像もつかない激しさです。
こちらのオス。
前足をケガしてしまいました。
指の付け根が血だらけです。
痛そう。
こちらは目の上を大ケガ。
こうしたケガがもとで失明してしまうこともあります。
オス同士の戦いは メスの縄張り争いを
はるかにしのぐ激しさです。
理由は…
1匹のメスがオスを受け入れるのはたったの4時間だけ。
群れ全体でも2週間ほどしかありません。
群れのオスたちが1匹のメスに殺到してしまうため→
戦いは激しさを増してしまうんです。
ふだんはボーっとしていてもやる時はやる。
ワオキツネザルのオスの
もうひとつの顔です。
ちょっと待ちなさいよ。
だっ ヒ ヒゲ子さんどうしましたか?
なんでメスが縄張り争いをしている間
ボーっと見てるのよ?
一緒に戦いなさいよ!
あ~確かに。
でも研究者の相馬さんによると→
オスとメスでは縄張りへの執着心が違うというんです。
執着心?
ええ。
オスは成長すると
群れを出ていかなければなりません。
しかもオスは 数年ごとに
群れを転々と移ることが分かっています。
オスは縄張りに対する
執着心が ほとんどないため→
縄張り争いには参加しないと
考えられるんです。
あら そうなの?
でも だからといって子育てもしなけりゃ→
縄張り争いもしないってのは
どうかと思うわ。
いえいえ
オスはちゃんと役に立っているんですよ。
ほ~ら 食事をメスに→
譲っていたじゃないですか?
そんなの当然よ。
働かざる者 食うべからずだわ。
いや
実は このメス優位の関係→
ワオキツネザルが
厳しいマダガスカルの地で→
子育てを成功させるカギだと
相馬さんは考えているんです。
カギ~?
ポイントは…
特に赤ちゃんが生まれる9月から10月は→
本来 雨季が始まり 木の実などの食事が豊かになる時期なんですが→
年によっては雨が降らず→
木の実がほとんど手に入らないことがあるんです。
あららら…。
すると 最も影響を受けるのが赤ちゃん。
栄養失調で
死んでしまう可能性もあります。
まあ それは大変。