2019/12/01(日) 21:00〜21:50 NHKスペシャル 体感 首都直下地震「プロローグ あなたは生きのびられるか」[字]


激しい揺れ。
先ほどの同時多発火災。
これ、僕、初めてなんですけど群衆雪崩っていうのは…。
小野≫これは最近
最新研究で明らかになった
リスクなんです。
赤松さん、お願いします。
赤松≫後ろの映像をご覧ください。
東日本大震災のときの東京都心部の様子です。
帰宅困難者の様子
覚えてらっしゃる方
記憶に残っている方も

多いと思いますが。
こういったときに起こると
懸念されているのが
群衆雪崩なんです。
首都直下地震が起きたらどうなるのか。
前を見てください。
グラフです。
これは平日の夕方4時の
人口分布の様子です。
高いところほど人口が多いことを
示しています。
中央区、港区の辺りに
人口が集中しているという状況が
分かるかと思います。
これだけ集中している中で首都直下地震が起きると
電車やバスが
止まりますから、今の想定で
被災地全体で


800万人の帰宅困難者が
発生すると想定されているんです。
テリー≫家族がいるから実家に戻りたいですよね。
赤松≫そういった状況で
一体どうなるのか。
こちら、ご覧ください。
大森≫分かった!分かったよ、江口さん。
江口≫なんだ?
大森≫群衆雪崩だ。
江口≫群衆雪崩?
大森≫あれ全部、遺体だ。
群衆に押し潰されて圧死したんだ。
何かのきっかけで混乱して
群衆が人を押し潰したんだよ。
≫ドラマの中で
突然、発生した群衆雪崩。
人が密集しすぎると1人が倒れただけで
周りも雪崩をうつように転倒し
犠牲者が出る恐ろしい現象です。
インドでは2年前に
高架橋で22人が死亡。
サウジアラビアでは
巡礼の参加者2000人以上が
犠牲になりました。
日本でも兵庫県明石市の花火大会で発生。
11人が亡くなり
247人が負傷しました。
首都直下地震でも
群衆雪崩が起きるのではないかと
懸念されています。

≫地震のあとの帰宅困難者を研究する東京大学、廣井悠さん。
≫立ち止まらないよう
お願いします。
≫やばい、やばい、やばい…!
≫廣井さんは、都心部の人たちが
地震のあと一斉に徒歩で帰宅する
ケースをシミュレーション。
すると、都内のあちこちに
人が密集し
事故のリスクが高まる場所が
現れました。
その1つ、東京・丸の内。
赤で示された場所は1平方メートルあたり
6人以上の超過密状態です。
渋谷、新宿、赤坂。
都内30か所以上で
極めて危険な状態が
生まれることが
分かってきたのです。
密集状態の中で、人の体には
どれほどの力が加わるのか。
明石の事故のあとに
実験が行われました。
≫群衆雪崩が起きるとされる
1平方メートルあたり10人以上の状態が
再現されました。
これは、そのときの実際の映像です。
実験では270kgもの力が
かかっていることが分かりました。
3人に1人が

呼吸困難に陥りました。
井ノ原≫恐ろしいですね。
しかも東京は人が多いですから特に。
テリー≫あと子どもとか女性
多いじゃないですか。
そうすると今みたいに
男性ばかりじゃないと
もっと。
だって背が小さいでしょ。
そこに子どもがいることすら