この日の診断を終えた松本医師。
向かった先は、病院の駐車場に
止めた車だった。
松本医師はここで夜も仕事を続け
ている。
≫機材は自分で組み上げた。
各病院から送られてくるCT画像をいつでも見ることができる。
深夜でも移動先でも画像が送られ
てくれば
すぐに診断する。
≫松本医師は感染拡大以降、
ほぼここで寝泊まりしながら画像
診断を続けている。
原動力になっているのは、コロナ専
用ICUの中で
昼夜を問わず患者を向き合う
同僚の姿だという。
≫そのコロナ専用ICU。
満床まで残り1床となっていた7日昼、
危惧していたことが起きた。
≫森澤医師がドクターカーに乗り込む。
市内の別の病院から、入院患者が重
症化し、
対応できなくなったと
受け入れ要請が入ったのだ。
これで重症者病床はついに満床に
なる。
≫満床を受け、病院では臨時のコロ
ナ病床を作った。
ただ、そこでは重症患者を
診ることはできない。
設備も医療スタッフも十分ではな
いからだ。
お話を伺った専門家は
今回の非常事態宣言について、
飲食店を10時から8時にするこ
とで
人々の行動がどう変わるのかとい
うデータは
分析されていないと思うと指摘し
ていました。
そのうえで、この緊急事態宣言を
祈りながら解除を待つのではなくて、
データをとる期間に充てて、
分析していかないといけないとおっしゃっていました。
≫今、私たちの周りではコロナ疲れ
とか、
慣れという言葉が飛び交っている
んですけれども、
VTRで御覧いただいたように、医
療現場では
慣れといった言葉など飛び交う余
地がないほど
ひっ迫している、せめてこの事実だ
けは
私たち、忘れてはいけないと思いま
すよね。
≫ひっ迫する医療現場と並んで
緊急事態宣言で生活困窮者がどうなるのかというのが
とっても心配ですけれども
私、取材に行った大人食堂を運営していた
NPO法人の人たちが行政に対し
て
ネットカフェをすぐに閉めないで
くださいと
具体的な提言をしたんですね。
そうしたら行政がそれを受け入れたということがあって、
とてもそういうところに一筋の希
望を感じました。
≫続いての特集は日下部さん取材
です。
≫感染拡大のペース、医療体制のひ
っ迫、
今や日本は東アジアで最も
危機的な状況にあります。
一方、世界で最もコロナ対策に成功
しているのが台湾です。
どうしてこんなに差がついてしま
ったんでしょうか。
閣僚として最前線で指揮に当たっ
てきた
オードリー・タンさんが「報道特集」
のインタビューに答えました。
≫去年の大みそかの台湾。
人気アーティストによるカウントダウンコンサートが開かれた。
会場を埋め尽くす7万人の観客。
新型コロナの抑え込みに成功している台湾では
水分補給以外の飲食禁止や
主催者側が参加者全員の連絡先などを把握するといった
条件を満たせば、こうした大規模イ
ベントでも
開催できるようになっている。
出勤ラッシュの風景は、コロナ前とあまり変わらない。
マスクを外して歩く人も目立つ。
観光客らしき姿はないが、日常をほぼ取り戻しつつある。
≫徹底した水際対策により、市中感
染が確認されたのは
この9カ月で僅か1例だけだ。
世界一のコロナ対策とも評価される台湾。
キーパーソンのオードリー・タンI