賞状と
5万円、どれが一番うれしかった
ですか。
◆まあ当時はやっぱり今まで絵を
描いて賞状をもらったことはある
んですけど、これはない。
◆小さいころから
お絵描きが大好きだった古久保さ
ん。
14歳のときに描いた絵が
アート展で最優秀賞を
受賞したことをきっかけに、
少しずつ作風を変えながら数々の作品を発表し続け、
日本はもとより
ヨーロッパでも展覧会を開催。
首相官邸にも招かれたことがある
ほど
今、アート界で
大きな注目を集めている画家なんです。
◆今年度も
9月6日から
フランスのパリで
アル・サン・ピエールという
特別の絵がありまして、6年半か
けて
描いた、10メートルの作品があ
るんです。
◆すごいですよ。
びっくりしたわ、これ。
この絵!
これは写真でも伝わりますね。
迫力というか。
これは現場で見たら、
圧倒されるでしょうね。
子供のころから
才能があったということですか。
◆もともと、小さいときから
ちょっと障害がありまして、
俗に言う自閉症やってね、
対人関係が苦手。
こうして今、皆さんとお話ししていますけど、今から9年ほど前は、
人見知りの激しい状態でしたので、
人と会話するのが苦手。それが小さいときから
絵を描いてることで
教室にいられる。
◆絵があるから、そこで自分の
世界に入れるというか、
ここはほかの人にも誰にも邪魔さ
れへん
自分だけの居場所みたいな。
◆自閉症の影響で、人とうまくコミュニケーションがとれず、
自分の殻にこもっていた
古久保さんでしたが、
大好きな絵と向き合うことで、
自分を表現できるようになり、
今では、絵を通じて
人とうまくコミュニケーションがとれるようになりました。
◆しゃべる機会が、そこまでなか
ったので、
でも、展覧会が大きくなってくる
と、いろんな人、
知ってる人から知らない人から、
普通にしゃべってきはるようにな
って、出合ったばっかりの人に絵
を見て、
すごいすごいとか言って、
ここまで相手してもらえるというのは、
やっぱり誰でも気分が変わります
よね。
◆どうですか、今、
こういう人に見に来てほしいとか、
こんな有名人が来てくれたらとい
うの、
誰か、いてますか?
◆ちなみにお名前は?
◆八光です。
◆お笑い芸人?
◆はい、そうです。
落語家です。◆あっ、落語家…。
芸能人に直接しゃべって、
目の前で絵を見てもらえたの、初めてなので、
うれしいです。
◆うれしくないでしょう?◆うれしいです。
◆これから夢とか、
目標はありますか。
◆穏やかに生活をしながら
楽しく絵が描けたらなと。◆プロの画家になるということで
すか。
◆そう言ってしまえば、
当然欲はあるし、
さっき言った5万円のもあるし、
そういうふうな欲しいとか、
欲望はあるんですけど、
でも、それをしてしまうと、
もし絵に出たらだめですよね。
楽しく描けなくなると、
それはしんどいので。
◆感動しました。
これ、もらってください。
これ。