も眠っているんです。
案内してくださったのは、
義仲寺のたつきさんです。>>こちらが義仲さんのお墓にな
ります。
木曽義仲のお墓です。義仲公のお墓。
その隣が芭蕉さんのお墓になりま
す。
どうぞ。
こちらが芭蕉さんのお墓になります。
>>こちらが、へー。
>>なんか、
意外に質素な。
>>豪華まで言うとおかしいですけど、もうちょっと華やかなお墓
なのかなと。
義仲公の墓の隣で、
ひっそりと眠る松尾芭蕉。
芭蕉は、生前、
ここに埋葬するようにと遺言を残
していたんだそうです。
>>ご遺言も路通という門人筋に
当たる人が、
そのことばを書き残しておられる
というので、
からは木曽塚に送るべしと。
そしてここは東西のちまた、
さざ波清き渚なれば、
生前の契り深かりし所なりと、そんなふうに遺言が続きますので。
>>平家物語の主役の一人であり
ながらその後、いとこである源頼
朝に打たれ、31歳でその生涯を
終えた悲運の武士、
木曽義仲。
芭蕉は、
人懐っこく人情に厚いといわれた、
義仲に引かれ、何度も墓を訪れました。
そして、ついには定宿にしてしま
ったのです。
そんな義仲寺には、
おくのほそ道の旅のあとに、芭蕉が寝泊まりをした無名庵や、
芭蕉が旅で使っていたといわれる
つえが展示されています。
さらに境内には句碑も点在してい
て、俳句ファンの聖地となってい
るんです。
ここで芭蕉が呼んだ句が、こちら。
>>行春をあふみの人とおしみけ
る。
>>舟を浮かべて門人たちと行く
春を惜しむという句なんですけど
も。
>>相当やっぱり、愛しておられ
たんですね、この辺の景観や、そ
のいろいろ人情、いろんなものを
ね。
>>義仲寺では、年1回、
11月の第2土曜日に、
芭蕉をしのんで法要が営まれています。
もともとは山に囲まれた三重県伊
賀市出身の松尾芭蕉。
故郷にはない美しい水辺などの景
色を好んだそうで、義仲寺を拠点
に、周辺の数々の名所を訪れ、
句を詠んでいます。その数、
30か所以上。
琵琶湖と瀬田川の境に架かる橋もその一つです。
>>さあ、われわれは瀬田の唐橋
にやって来ました。
この瀬田の唐橋ね、もう歴史的に
有名な橋ですよね。
この唐橋を制する者は天下を制す
るとまで言われた、軍事的にも大
事な橋なんですが、
この場所も非常に松尾芭蕉さんが愛された場所で。
>>日本三名橋の一つともいわれ
る瀬田の唐橋。
近江の美しい情景、近江八景の一
つとして古くから栄えたこの橋は、
日本の道100選にも選ばれてい
ます。
そんな瀬田の唐橋を呼んだ句が、
こちら。
>>五月雨に隠れぬものや瀬田の
橋。
>>五月雨っていうのは、
ぼやけて、
風景をぼやかしてくでしょ?
長雨ですし、春のね。
みんながかすんでぼやけて見える。
その中でも、やっぱり瀬田の唐橋
だけは、
きっちり存在感を感じさせるぐらいきれいに見えるという、周りが
自然の景観の中で、
人の作った人工物としての強さを感じさす、存在だったんでしょう
ね。
だから、芭蕉さん、
このへんを結構頻繁に歩いておら
れたと、それを思ったら、
われわれも足跡をたどると、追体
験できるような気、
しますね。