◆摩耗試験といいまして、
要は、靴下がどれぐらいで破れる
か、というのを調べる検査です。
◆めっちゃ実験してますやん。
◆何回転して破れたかというのを調べますので、
数字が多いほうが丈夫という結果
になります。
◆これじゃあ、何をしてるんです
か。
丈夫さを求めていっているんです
か。
もっともっと丈夫なのをという。
◆商品によっては強度を非常に重
視するアイテムもありますし…。
◆大分摩耗しはったんですね。
◆ありがとうございます。
◆すみません、
本当に。
◆本当に本当にすいません。
◆あんまり苦労はしてまへんねや
けどな。
◆どれぐらいの…。
◆これ、どれぐらい続けるんです
か。
◆これは数分とかですぐ結果が出
ますので。
◆何分耐えたらいいんですか?
◆回転数が出るんですね。
何回転、もちましたかという。
◆でも何かでてきてますよ、
粉みたいなのが。
◆確かに。
◆あっ!
◆これで終了です。
◆これで136回転というのが
数値になります。
◆このように、
検査が繰り返し行われ、越智さん
の靴下は
店頭に並びます。
さらに、
検査以外にも、施設内には越智さ
んの究極のこだわりを形に
する場所があるんです。
◆これがリンキングと言うて、この人がリンキングという、
目をね。
◆僕が通しを失敗したところを?
◆失敗したやつも手作業で戻して。
◆これがリンキングというの。
◆細かい!
◆昔は全部、これやった。
◆ここで行われているのは、
リンキングと言われる
縫製方法で、先ほど鰻が体験した
機械で縫うものとは異なり、全て手作業で行います。
機械に比べて
ミリ単位の縫製が可能ですが、
手作業のため、1カ所でも
穴に張りを通す場所を間違えると商品になりません。
大変手間はかかりますが、継ぎ目
が目立ちにくく、
編み目の厚みを抑えることで
履き心地のいい靴下に仕上げることが可能なのです。
ちなみに、1本つくるのにもかな
りの時間を要するため、
1日に生産できる数はたった50
本ほど。
◆何で、ここまでこだわりはるん
ですか。
◆それはプライドでんがな。
◆靴下のことを日本で一番考えてるという自信はありますか。
◆自分では思うよ。
わしね、
靴下以外のことを考えるなんてあ
り得へんやんか。
◆靴下をつくるためだけに生まれ
てきた男。
◆あと、何にもあらへん。
◆あと何にもできへん。
◆本当よ。
◆会長の楽しみは何ですか。
靴下?
◆これ以上の楽しみありまっかいな。
◆79歳でまだ好きやねん、
靴下を。◆靴下と奥さんやったら
どっちが好きですか。
◆そら、靴…。
そんなん言われへんがな。
◆言いそうでしたよ。◆さらに、
越智さんは靴下を好き過ぎるが余
り、ある特殊な方法で
品質をチェックするんです。
◆今、わしは力がないから、
あれやけど、
1分半、
かんで放しまんねん。
簡単に言うたら、こうしまんねん。
これあわせて
放していく。◆どうなったらオーケーなんです
か。