2019/12/31(火) 10:20〜11:50 NHKスペシャル選「緒方貞子 戦争が終わらない この世界で」[字]


今でも やっていますよ。
いろいろな所で。 でしょう?
内向きの上に 妙な確信を持ってそれを実行しようとすると→
押しつけになりますよね。
理屈から言えば。
…じゃないですか?
内向きというのは→
かなり 無知というものに
つながっているんじゃないの?
違います?
緒方さん バングラデシュでの一場面。
内向きでは いけない。

人々の 本当の望みを知らなければならない。
UNHCR時代 緒方さんは→
一年の半分以上 難民たちの現場に足を運んでいました。
彼女は それまでの
どの難民高等弁務官よりも→
現場主義を貫いていました。→
プライベートな時間はほとんど なかったと思います。→
同行するスタッフの間からは→
「緒方さんのペースについていくのは大変だ」という声が→
出るほどでしたよ。→
彼女のスタミナ 意志の強さは信じ難いものでした。→
緒方さんは 難民たちが
どんな経験をして→
ここに至ったのかを
理解するために→
ひたすら 彼らの声に
耳を傾けていたのです。→
その姿は


思いやりに あふれていました。→
更に 難民の話を
十分に聞いた上で→
その地域の政治的なリーダーとも
交渉しました。
こうして彼女は 解決策を
導き出していったのです。
UNHCRが アフリカ・ザイールに作った
ゴマ難民キャンプ。
緒方さんが
難民高等弁務官として→
厳しい試練に
さらされた場所でした。
来てくれてありがとう。
子どもが病気なんです!なんとかして下さい!
高等弁務官 なんとかして下さい!
助けて…。
ここで
避難生活を送っていたのは→
隣国 ルワンダの内戦から
逃れてきた人々です。
1994年に起きた ルワンダでの虐殺。
多数派部族であるフツ族の過激派が→
少数派のツチ族を襲撃。
80万人が殺されました。
やがて ツチ族が反撃。
敗れたフツ族は 復讐を恐れ隣国 ザイールに逃れました。
100万人もの難民の中には 多くの
一般市民が含まれていました。
こちらです。

ゴマ難民キャンプでは病人や死者が続出していました。
ルワンダにいた時から 恐怖にさらされ
劣悪な環境に置かれていた人々。
辛うじて たどりついたキャンプでも
赤痢やコレラが発生していました。
頑張って下さい。
強い気持ちで。
コレラの蔓延を防ぐため→
緒方さんは アメリカに協力を求め安全な水の確保に努めます。
この時 難民キャンプの
医療活動を支えていたのが→
NGOの 国境なき医師団でした。
どうぞ。失礼します。
それで お話とは?
申し上げにくいのですが…我々 国境なき医師団は→
このキャンプからの撤退を
考えています。
なぜ?
犯罪者を救うのが我々の倫理に反するのです。
難民の中には
虐殺に関わった兵士たちが→
大量に紛れ込んでいますよね。
お前ら 殺すぞ!
武力で
キャンプを支配しようとしている→
フツ族の兵士たち。
彼らを難民として救っていいのか。
あなた方の言い分も
よく分かります。
引き揚げるというのなら

止めません。
けれど 私たちは残ります。
国連から 難民保護の任務を与えられている 我々は→
犯罪者がいるからといって
立ち去れません。
罪のない 女性や子どもたちを
見捨てる訳にはいかないのです。
全ては
一人でも多くの命を救うために。
しかし