2020/03/01(日) 02:07〜03:05 NHKスペシャル選 ホットスポット 最後の楽園(2)「ブラジル・セラード」[SS][字]


細長い口を 差し込む。→
驚きは この後だ。→
目にも留まらぬ速さで舌を出し入れしている>
<長い舌を伸ばして 中のシロアリを

なめ取っているのだ>
♪♪~
<60cmもある舌は 胸にある筋肉につながっている。→
その筋肉が
高速で収縮することで→
舌の素早い動きを


生み出しているのだ>
<その速さは
なんと1分間に 150回>
<驚きは まだ他にもある>
<長い舌には強力な粘液がついている。→
これで シロアリたちを
一気に からめ取るのだ>
<オオアリクイは シロアリを食べるために
究極に進化した生き物なのだ>
オオアリクイに壊された場所を見ると→
塚の中には たくさんのシロアリがいることが分かります。
大きなアリ塚では 一つの巣に→
およそ100万匹のシロアリが暮らしています。
最も数が多いのは 塚を作ったり
餌を運んだりする 働きアリ。
オレンジ色の頭に
大きな顎を持っているのは→
塚を守る兵隊アリです。
それぞれが 役割分担し社会的な暮らしを送っています。
巣の修復が始まりました。
働きアリは 壊れた場所に→
唾液やフンで
土を貼り付けていきます。
体は小さくても そこは 人海戦術。
あっという間に穴は塞がれていきます。
シロアリの社会には もう一つ
欠かせない存在があります。
それは アリ塚の奥深く
特別な部屋に 横たわっています。
コロニーの支配者 女王アリです。

女王アリは 一つのアリ塚で→
唯一 卵を産むことができる
存在です。
一日に 数千個の卵を
産むこともあります。
働きアリが 塚を補修し
女王アリが 卵を産む。
こうして オオアリクイに襲われても→
塚は 素早く回復することができるのです。
<オオアリクイも ただ むやみに
シロアリを食べているわけではない。→
オオアリクイが 一つのアリ塚で
食べるのは 長くても2分ほど>
<広い草原を歩き回り→
たくさんのアリ塚から少しずつ食べることで→
一日に必要な量を確保している>
<一つのアリ塚のダメージを少なくすることで→
シロアリが全滅するのを
防いでいるのだ>
<それは
共に生きていくことを選んだ→
オオアリクイとシロアリとの間に交わされた
太古からの約束なのだ>
夜の草原。
日光の下では活動できないシロアリたちが→
続々と外に出てきました。
そして一斉に草を食べ始めました。
実は セラードには シロアリ以外に→
草を大量に消費する生き物はいません。
なぜ 他の大陸にいる

ウシのような草食動物たちが→
ここには いないのでしょうか?
その謎を解く鍵は→
遠く 1億8000万年前まで
さかのぼります。
それまで一つだった
ゴンドワナ大陸が分裂し→
南米は 孤立した大陸として
歩み始めます。
それは ちょうど 哺乳類の祖先が
現れたのと同じころ。
南米では 他の大陸から
影響を受けることなく→
哺乳類たちが 独自の進化を
遂げていきました。
古い時代の化石が 乏しい中→
今から20年ほど前ある大きな発見がありました。
アンデス山脈の渓谷から→
哺乳類の化石が大量に見つかったのです。
それは
これまで謎に包まれていた→
太古の草原に住んでいた
草食動物の化石でした。
今回 発見された化石は
かつて 南米に→
草食動物が たくさんいたことを
教えてくれます。
これまで 南米では
その時代の哺乳類の化石は→
ほとんど