2020/03/01(日) 02:07〜03:05 NHKスペシャル選 ホットスポット 最後の楽園(2)「ブラジル・セラード」[SS][字]


<アリクイの背中にいるのは 子供。→
生まれた直後から
独り立ちするまで→
およそ1年半もの間→
母親は ずっと背中に背負って 子育てする。→
期間が長いのは 子供に行き届く
栄養が少ないためだ。→
シロアリは 決して

栄養豊富な食べ物ではないのだ。→
オオアリクイは また さまざまな方法で
エネルギーを節約している。→
体に比べて 脳は とても小さく
オリーブほどの大きさしかない。→
脳は 多くのエネルギーを消費するのだ>
<更にオオアリクイの体温は 僅か32℃。→
これは 陸に住む哺乳類の中で
最も低い。→
これも エネルギー節約のためだ>
<子育てが長くなるのもうなずける。→
シロアリと共に生きる


アリクイの宿命なのだ。→
背中の子供が 首を伸ばし
アリ塚のにおいを嗅いでいる。→
長い長い子育ても
あと もう少しのようだ>
<母親の背中で
うとうとする子供。→
一日の大半を 寝て過ごしている>
<それは 親も同様。→
長く寝るのも エネルギー節約の一つ。→
一日のうち14時間を寝て過ごすという。→
体の機能から 子育てに至るまで
オオアリクイは→
専ら シロアリだけを食べて
生きていけるよう→
エネルギーを節約する進化を
遂げてきたのだ>
<9月。 半年続いた乾季に
終わりを告げる音が→
草原に 響き渡る>
(雷鳴)
<乾燥しきった草原は
簡単に 火がつき→
瞬く間に燃え上がる。→
激しい炎がアリ塚をのみ込んでいく>
<火が燃え尽きた後 セラードには
生命の気配が感じられない>
<熱い炎に焼かれた アリツカゲラの巣。→
ヒナは どうなったのだろうか。→
無事だった。→

シロアリの作った土の壁が→
炎から ヒナを守ってくれたのだ>
<アリ塚に育まれ ヒナはもうすぐ 巣立ちの時を迎える>
<焼けた草原に
徐々に姿を現す生き物たち>
<アリ塚は 火事から
生き物たちを守ってくれる→
避難場所にもなっているのだ>
<そして ある日。→
半年ぶりの雨の到来だ>
♪♪~
<この雨で
セラードの風景が一変した>
♪♪~
<潤いを取り戻した セラードは→
一瞬にして
緑のオアシスへと姿を変える>
<緑あふれる大地となった セラード。→
この時を 待ちに待っていた生き物たちがいる>
あっ すごい大群!
道 道 道!
これ いいですね これ!
こっちから…あっ そこだ! 道 道 道!
ハハハハ! これ いいですね。
<地面を動く 葉っぱの切れ端。→
その正体は…>
<自分の体が隠れてしまうほど大きな葉を運んでいる>
これ まさに
ハキリアリの大幹線道路ですよね。
今 まさに これが…→

切ってます 切ってます。
<ハキリアリは その名のとおり→
大きな顎で葉を切り取っていく。→
そして 下に落ちた切れ端を→
他のアリが運んでいくのだ>
どこに行ってるんだろう? これ。
どこに…あっ ここに持ってきてるんだ!
あ~
持っていってる 持っていってる。
これですね。
かなり 忙しく働いていますね。
<休むことなく
巣に 葉を運び込む ハキリアリ。→
しかし 一体 何のために
葉を集めているのだろうか?→
実は 地面の下には
ハキリアリが作った農園がある>
<育てているのは…>
大量の葉はキノコの栄養にするためのもの。→
ハキリアリは 農業をするアリなのだ>