2020/03/01(日) 03:05〜03:55 NHKスペシャル選 ホットスポット 最後の楽園(3)「オーストラリア」[SS][字]
考えられています。
それでは なぜ 有袋類は→
オーストラリアでは絶滅しなかったのでしょうか。
時間をさかのぼる事
およそ1億8000万年。
オーストラリアは
巨大な大陸の一部でした。
そして 7000万年前
有袋類の祖先を乗せ→
大陸から分裂し 移動を始めます。
幸運な事に そこには まだ→
ライバルの有胎盤類は 入り込んで
いなかったと考えられています。
彼らとの熾烈な生存競争を
免れる事ができたというのです。
当時 オーストラリア大陸は
現在とは全く違い→
大陸全体が
湿潤な森で覆われていました。
有袋類は この森で
多様な進化を遂げていきました。
ところが その後
大きな試練が訪れます。
およそ3500万年前
南極の周りに海流が生まれます。
赤道からの温かい水が遮られ
南極は冷え始め 氷で覆われます。
大気中の水分が氷になったのです。
その結果オーストラリアの乾燥が始まります。
更に 地球の最も乾燥した地域へと
移動します。
森は小さくなり→
大陸のほとんどが 乾いた大地へと変わってしまったのです。
この劇的な変化が→
新たなる有袋類を誕生させる事となります。
南西部のホットスポット。
ここに 独特な方法で劇的な環境の変化を乗り切った→
有袋類の子孫がいる。
白い砂地に生えているのは バンクシア。
地球上で
ここでしか見られない植物だ。
その種類は 60にもなる。
乾燥地ではリンなどの栄養分が乏しい。
それらを 効率よく吸収する能力を
発達させた。
森で暮らしていた祖先が
食べていた昆虫は→
ここには ほとんどいない。
この不毛の地で彼らが選んだ食べ物…。
それは 花の蜜や花粉だ。
彼らは コウモリ以外では花の蜜と花粉だけで生きている→
唯一の哺乳類だ。
虫を食べなくなったため歯は要らなくなった。
そのかわりに
花粉を集めやすいよう→
舌の表面は ブラシのようになった。
電子顕微鏡で見てみるとご覧のとおり。
限られた資源を
極限まで利用しようという進化だ。
彼らは
ただ食べているだけではない。
口先についた花粉を
ほかの花へと運ぶ事で→
バンクシアの受粉を助けているのだ。
お互いに掛けがえのないパートナーとなる事で→
厳しい環境を生き延びてきた。
フクロミツスイはその繁殖方法も実にユニークだ。
体の大きさに比べ
世界中のあらゆるオスの中で→
最も大きい生殖器を持っている。
(マリリン)人間だったら大きなスイカを2個抱えて→
歩いているようなものです。
大きな睾丸を持ち 哺乳類の中で最も大きい精子を作り出します。
人間の3倍。
そしてなんと クジラよりも大きいんです!
精子が大きいのには 訳がある。
繁殖期 メスは 集まってきた全てのオスと交尾をする。
すると メスの体の中で→
異なるオスの精子が競い合う事になる。
この時 大きく強い精子の方が
最初に 卵にたどりつくという。
オスが 力で争うのではなく→
精子を競い合わせより強い子孫を残す。
不毛の大地で 不毛な争いをせずに
生き抜く戦略だ。
乾燥化によって 大陸の大部分が
砂漠地帯へと変わった オーストラリア。
しかし そんな過酷な環境を
物ともしない生き物がいる。
アカカンガルーだ。
現在 全土に 1000万匹以上が暮らしている。
不毛の大地に進出し
大繁栄を遂げた アカカンガルー。
その繁栄の秘密は→
彼らの暮らしぶりの中に見る事ができる。
砂漠の真ん中に出来た 大きな池。
オーストラリアの内陸部では時折 激しい雨が降り→
一時的な水場が出来る。
彼らは こうした水場を探していつも移動しながら暮らしている。
水場の周りには