中等症、
重症の人は100%、
中和抗体を保有していた。また、
症状が重い人ほど中和抗体が強く
なる傾向があり、
再感染しにくくなるという。
今回の研究結果が持つ意味について、山中教授は。
>>この結果はですね、
ワクチンの開発にも一定の期待を持たせるものではないかと。
>>研究グループは、
1年後にも抗体が残っているのかなど、
さらに分析を進める方針だ。
>>今回の研究と新型コロナのワクチンと、どういう関係があるの
か。
>>山本キャスターの解説です。
>>横浜市立大学の研究グループ、
注目したのはこの中和抗体というものです。
これがどんなものなのかという前
に、
どのように感染はするのかという
ところを、まずは整理していきま
す。
新型コロナウイルスが体内に入ってきますと、
このウイルスの周りにあります突
起部分と、
人の細胞の表面が結合しまして、
ウイルスが人の細胞に入りますと、感染ということになるわけなんで
す。
では、
中和抗体はどんな働きをするのか
見ていきます。
ウイルスが体内に入りますと、も
ちろん抗体が出てくるわけなんで
すが、このときはたくさんの種類
の抗体が生まれるわけなんです。
でもこの中に、
ウイルスの突起部分としっかりくっつく、一致するものが出てくる
んです。
これによって、
人の細胞にウイルスが入るのを防
いでくれる、
これが中和抗体ということなんで
す。
まさに免疫があるような状態、
再感染しにくくなるような状態だということなんです。
しかしこの中和抗体なんですけれ
ども、どのぐらい持続するのか、
そのあたりは分かっていないとい
うことで、
今回の横浜市立大学の研究となり
ます。
概要を見ていきましょう。
対象は20代から70代の新型コロナウイルス感染者376人です。
内訳は無症状、軽症が280人、
ちゅうとうしょうが71人、
重症が25人で、
半年たって中和抗体、
どのぐらい持っているのか、その
結果というのがこちらです。
全体では98%の方が持っていま
した。
そして中等症、重症で見てみます
と、
それぞれ100%保有していたと
いうことなんです。
さらにこんなことが分かりました。
症状によって、
中和抗体の強さが異なるというこ
となんです。
これ、
縦の軸が中和抗体の強さ、そしてこれ、
小さな点がたくさんあるんですけ
れども、
今回の研究に参加しました感染者
の中和抗体の強さの数値を一つ一
つ示しています。
これ、
よく見ていきますと、無症状、軽
症、
中等症の方は、
中和抗体が低い人が多くいるわけなんですね。
でも重症を見てみますと、この赤
い点の部分です。
この中和抗体、強い人がほとんど
なんです。
ということは、
症状が重いほど、
再感染しにくいということが分か
りました。
今回のこの研究結果なんですが、
ワクチンにこんなことが生かされるかもしれません。
アメリカの製薬会社が作りました
このワクチンなんですが、有効性、
高く表示されています。
しかし、
一般的にはワクチンによる免疫と、
自然感染による免疫というのは、イコールではないということなん
です。
今回の研究の責任者であります、
横浜市立大学の山中教授に話を聞