うわっ!
あっ、こんにちは、お父さん。
◆こんにちは。
◆お父さん、これすごいですね、
作品が。
◆作品が?
◆カエルがわからんと乗ってますよ。
しかも、
腰砕けそうになりました。動いたから。
もともとなぜこういうのを。
◆暇つぶし。
◆でも、すごい。
これでも商売できそうなぐらいですやん。
◆そうやろうか。
◆お母さん、
すごいですよね。
◆どっか、売ってくれはるやろか?
◆ほんまやわ。
◆もともと、凄腕の建具職人の
木谷(きたに)さんは
4年前、体を壊してしまったこと
を機に引退。
余った木材で何かできないかと、
ミニチュアハウスを
つくり始めました。
そんな木谷さんの腕前を
見せていただくことに。
◆すご~い。
◆これが一番の作品かな。
◆これ一番の作品?
すごい!◆ちょっとずれると
そったりするんで。
◆これ、売りに出すとしたら、お幾らぐらいなんですか。
◆さあ何ぼ?
メーカー小売り希望価格は?
◆5カ月ぐらいかかってますから。◆うわあ、
5カ月。ということは?
◆数百万…。
◆何ぼぐらい。
2、3?
◆3は行かへんけど、2ぐらい。
◆2!?
ええっ!
◆そやけど、売れへんわなあ、
売ろうと思ったら。◆こういうのも?
◆これは…。
◆これは誰ですの?
◆娘や。
◆お嬢さんですの?
これ、いつですの?
◆うわあ!◆いつやったかな。
20年ほど前。
◆20年前!?お嬢、変わってませんやんか!
お嬢、お幾つですか。
◆44。
◆44!?
えーっ!!
きれいな、変わらず。
写真に写ってたのは、お2人いてましたけど。
◆双子ですねん。
◆2人姉妹ですか。
◆3人、上に姉が。
◆姉ちゃんと
弟が。
◆4人。頑張りましたね、
お母さん。
◆もう年子の
双子でしたので。
◆年子の双子!?
お乳あげなあかんし、双子やった
らどうしますの?
◆いろいろ考えてくれはった。
抱いてられませんから、座布団に
2人寝させて、
そして、輪っかで
哺乳瓶がこういうふうに出てくる
…。
◆すごい!
お父さん、仕事やりましたね、
それ。
◆4人の子育てに追われる禮子(れいこ)さん。
さらに、時代は建設ラッシュの
真っただ中…
ご主人も
働きづめの毎日だったそうです。
◆朝は起きて、
ご飯までに一仕事して。そして、また、
夜には夜なべせなならんでしょう
?
弁当持ってきてもうて、運んでも
うた。
◆ほんなら、お母さん、弁当をつ
くって、また来て。
ずっと働きっ放し?
◆木谷さんは引退後もミニチュアハウスをつくったり、
道の駅に出す煎餅を焼いたりと
忙しい毎日。
一方、奥さんも
お惣菜を販売したりと
2人とも働いていないと