新米フライトドクターの挫折と奮闘を追った。
九州・宮崎。
県内で唯一、
ドクターヘリが配備されている、
宮崎大学医学部附属病院。
>>県の3分の2を超える山間部
におきましては、医師はほとんど
足りないという形なんです。
>>ドクターヘリの出動件数は1年で400件以上。
地域医療には欠かせない存在だ。
>>どこにいてもそうなったら走っていかないといけないし、
気にしながら行動はしてるつもり
です。
>>救命救急科の島津医師。
ヘリに乗り始めておよそ半年。
フライトドクターとしての経験を
積んでいるところだ。
>>ドクターヘリ出動、ドクター
ヘリ出動。
転落外傷。
>>この病院では、救命救急科に
入ると同時に、ドクターヘリでの
フライト任務がスタート。
先輩医師にフォローしてもらいな
がらの常務となる。
>>聞いた?内容?
>>聞いてない。
>>ビニールハウスの上から転落
して、外傷ないけど、手足が動か
ない。
>>こちらの斎藤医師は、島津医師の5年先輩。
新米医師にとって、
頼れる存在だ。>>では、上がります。
>>フライト100回が、
一人前の目安ともいわれるフライトドクター。
島津医師にとっては、これが27
回目。
患者の診察、
治療はもちろん、
パイロットや看護師など、
5人のチームをけん引しなければならない。
ドクターヘリは、
着陸することを許された、
ランデブーポイントに到着。
患者を乗せた救急車と合流する。
>>私、
頭から診察するので、ファストお願いしていいですか?
>>いいよ。
>>ルートお願いします。
>>はい。
>>患者を待つ間、
先輩たちに指示を出す島津医師。
手足が動かないとの情報から、
脊髄損傷、
さらには脳梗塞の可能性なども視野に入れていた。
>>こんにちは。
分かります?
落ちたこと覚えてます?
>>覚えてる。>>なんか、
意識失って落ちたとかではない?
>>いやいや全然。
>>滑った感じ?
>>意識はしっかりしていたが、
手足にまひが見られたことから、
脳がダメージを受けている可能性も捨てきれない。
検査の結果、
脳には影響がないことが分かった。
手足のまひは、
脊髄損傷によるものと判明。
幸い、
男性には深刻な後遺症が残る可能性は低いという。
素早い判断と的確な指示によって、
患者を救った島津医師。
実は、
彼女が医師を目指したのは、意外な理由からだった。
>>小学生のときに見たドラマが
あって、
もうその主人公がかっこよくて、
ああ、
もうこれになりたいと。
それで、医者を目指しました。
>>どんな状況でも患者の命を救
う。
そんな救急医を目指す島津医師に
は、
同じ志を持つ同期がいた。
>>いた。
>>それが彼、
伊豆元心太郎医師27歳。>>一番人気なんですよ。
>>あっ、そうなんですか?
>>いや、全然。
>>そうは見えないんですけどね。
>>ビール2本と焼酎2杯。
>>フライトドクターになって、
およそ半年の伊豆元医師。前向きな島津医師とは対照的な性
格だった。
>>結構、
ネガティブな感じなので、あんま
り、仕事で喜ぶとか、
満足するとかはないです。