前にして、
故郷へ戻る気持ちは薄れています。
>>帰りたいというお気持ちはありますか?
>>私としては、今のところは、
帰りたいっていう気持ちは、正直ないですね。
物理的に国道6号線から東側は、
中間貯蔵施設になるっていうことで、今、
汚れた土とか、そういうものが運
ばれてますので、
あとは第一原発も、
果たして安全になってるのかなと、
私らはものすごい心配があるんで
すよね。
そういう気持ちもあるところに、
戻るっていう気持ちにはちょっと
なれないですもんね。
>>小島さん、
複雑な心境が聞かれましたね。
>>そうですね。
お話をお聞きした池田さんは、
元役場の職員の方で、OBなんですね。
もちろん、
町には愛着はもちろんあるんですけれども、
今の状況を考えると、
戻る気になれないとおっしゃってて、もちろん、
池田さんの意見が、
皆さんの意見を代弁しているわけではないですけれど、帰れますよ、
はい、じゃあ、
帰りましょうというほど単純な話ではないということだと思います。
その複雑な状況ですけれど、まず
大熊町、どんなふうになっている
かといいますと、東西に長い町で
すけれども、
この北東の角の所に、福島第一原
発というのがありまして、それを
取り囲むようにして、ご紹介した
ように、中間貯蔵施設というのが
今、出来ていまして、これ、
福島県中で除染をして、
いわば放射能汚染をされた土壌が
ここに集められて、ここに30年
間保管したうえで、どこかに最終
処分されるということなんですが、
ここに保管されます。
それ以外の町域全域が、まだ避難指示の対象となっているんですけ
れども、そのうちの一部、
線量が低い所に、今度、新しい役場を作って、
この5月にオープンさせて、
そのあとぐらいに町営住宅などに少しずつ町民を戻していきたいと
いうふうに、大きな節目を迎える
わけなんですね。
なんですけれども、
こういう計画が発表されてから、町が住民に対して、じゃあ、
帰りたいですかというアンケート
をしたところ、こういう結果が出
ました。
戻りたいと考えている人、
14%ほどしかおられないという
ことなんですね。
この数字、
決して高いとは、
私、
思いませんけれど、
役場の方はどういうふうにこの数
字を受け止めているかと言います
と、前の数字からすると、これ、
1年前に同じような調査をしているんですけれども、戻りたいと考
えている人、
2ポイントほど増えているし、
戻らないと決めている人は4ポイ
ントほど減っているんだから、
まあこれ、
大きな一歩じゃないかというふうな受け止め方をしていて、逆にこ
んな微妙な変化でも、やっぱり少
し希望を感じるほど、
本当に追い詰められた難しい状況
だといえると思うんですね。
>>住むにしても、仕事がないと
若一さん、なかなか生活ができな
いという厳しい状況もあると思う
んですよね。
>>そうですね。ただ、だけど、
まだ完全に除染が進んで、
汚染の心配をしなくていいエリア
が、そんな広くはないわけですね。
そこに役所を作るということで動
きだしてるわけですけれども、ち
ょっと離れた森林地区に入ると、
やっぱり線量が高いという問題があったりしますし、中間貯蔵施設
も、これから今、汚染土壌、どん
どん運び込まれている最中なんで
すね。
それを汚染の強い部分と、
弱い部分に土を振り分けるような
実証実験も始まっているんですけ
ど、どんどんどんどん土が増えて
いったら、どういう状態になるか、
まだ皆さん、心配もしてる状態で
すね。
だから、ちょっと急ぎ過ぎてるん