(飯田源兵衛)今 戻った。≪(ユキエ)大嫌い!
辞めさせてきたけん。
(飯田ミヤコ)えっ?
嫁に出しますけんと言って
学校 辞めさせてきた。
(登志)え~っ!?

<頑として 見合いを承知しないユキエに業を煮やして→
源兵衛は
とうとう 強硬手段に出たのです>
娘は嫁に行きますけん 勝手ながら
教員の職を解いて頂きたく!
♪♪~
(飯田布美枝)姉ちゃん…。
♪♪「『ありがとう』って伝えたくて」
♪♪「まぶしい朝に 苦笑いしてさ」
♪♪「あなたが窓を開ける」
♪♪「舞い込んだ未来が始まりを教えて」
♪♪「いま輝いているんだ」
♪♪「『ありがとう』って伝えたくて」
♪♪「あなたを見つめるけど」
♪♪「信じたこの道を確かめていくように」
♪♪「今 ゆっくりと 歩いていこう」
ユキエ 部屋から出てこんのかね?はい。
何も食べんで
体こわしてしまうが。
いらんいうものを
無理に食わせんでもええ!
(飯田貴司)姉ちゃん
断食しとるの?黙って食え!
<源兵衛に反抗して ユキエは 部屋に


閉じこもってしまいました>
≪(ユキエ)私 お父さんの事
許せんけん!
(ミヤコ)
お父さんも あんたの行く末を案じて やった事だけん。
(ユキエ)余計なお世話だわ!
もう 学校にも戻れんやないの!
意地張らんで いっぺん横山さんに
会ってみたらどげかね?
お父さんだって あんたのためを
思って 勧めてる事だし。
私のためじゃない!
娘を 農家に嫁にやったら→
自分が 芋でも野菜でも
好きに食べられる。
お父さん そげなくらいに
思っとるのよ!
そげな事 言わんで。
私は 人身ごくうだが!(ミヤコ)だらず!
お父さんは
あんたの幸せを思って。
幸せ? 無理やり見合いさせられて
どこが幸せ?
お母さんは どげなの?
お父さんの顔色うかがって→
いつも叱られて
それで ほんとに幸せ?
私は 嫌だけんね。 台所にしか
居場所がないような人生は→
嫌だけん!

お父さんの言いなりには ならん!
♪♪~
(蜂の羽音)
お父さん 手伝おうか?
ええ! お前では 間に合わん。
♪♪~
お母さん。
♪♪~
<父と娘のいさかいは→
家の中を 重苦しい空気で
包み込んでしまいました>
(ユキエ)フミちゃん フミちゃん。
何?し~っ! ちょっと こっちに来て。
お願い。 あんた
朝まで ここで寝とって。え?
お父さんが見張りに く~けん→
代わりに布団に入っとってほしいの。
ユキ姉ちゃんは どげするの?
安来の輝子叔母ちゃんのとこに行く。
え~っ!? 家 出ていくの?
し~っ!
それぐらいせんと お父さん
考え直してくれんでしょう。
けど…。
心配いらん。
朝になったら 電報 打つし→
お父さんが見合いを断ってくれたら すぐに戻る。
ねっ お願い!
ダメだよ そげな事できん。
あんたにしか 頼めんのよ。

けど…。
このままだったら 私
家の中に閉じこもったまま→
一生 お父さんと口をきかんよ。
え?
そげな事になったら
あんたも嫌でしょう。
嫌 そんなの困る。
だけん ちょっとだけ時間を置きたいんだわ。
分かるよね?