姉との見合い 諦めて下さい。うちにも 来んで下さい。
頼みますけん
このまま 帰って下さい。
なして そげな事
わ~に 言われにゃならん?
大体 子供が
口を出す話では なかろうが。
けど 困るんです。 このまま
姉ちゃんが帰ってこんかったら。
どういう事だ?



ほんとに困るんです。
うちの中 ずっと
お通夜みたいだし。
私がいらん事したけん
こげな事になって→
どげしたらええか分からん。
♪♪~
<その夜 仲人さんが→
横山家が 見合いを断ってきた事を伝えにきました>
早こと 安来に知らすとええわ。
はい。
これで ユキエも戻ってくるだろう。
(ミヤコ)でも おかしな話ですわ。急に 断り言ってくるなんて。
この間も 話 進めてくれと
催促があったんですよ。
他に ええのが見つかって
乗り換えたんだろう。
はあ。
とんだ だらず男かもしれんな?
嫁に出す前に分かって
かえってよかったが。
そげですね。
もうええ!
済んだ事 ぐだぐだ言うな!
わしの見込み違いだったか。
<縁談は 横山が 一方的に
断った事になっていました。→
布美枝が頼んだ事を 横山は
言わずにいてくれたのです>
よかったんだよね? これで。

姉ちゃんが戻ってくるんだけん→
うちが 元どおりになるんだけん
よかったんだよね?
<けれど 横山の
優しそうな笑顔を思い出すと→
布美枝は
胸が痛くなるのでした>
(蜂の羽音)
(飯田ミヤコ)痛い!
(飯田源兵衛)どげした?
また 刺されました。
もう ええ。
お前は あっち 行っとれ。
ヨモギで揉んどけば 平気ですけん。
≪(倒れる音)
ミヤコ! どげした!?
どうした ミヤコ? ミヤコ!
誰か! 誰か おらんのか?
(飯田登志)あれ どげしただ!?分からん。
蜂の世話しとったら 急に倒れた。
おばば! 水!
布美枝 医者!
何しとる! 田村医院の先生呼んでこい。 急げ!
(飯田布美枝)はいっ!
(玄関の戸をたたく音)
(看護婦)
先生 往診に行っとられるわ。
往診 どこに行ったんですか?
安田だけど。
安田…。

フミちゃん。
お母さんが
お母さんが 死んでしまうだ!
♪♪「『ありがとう』って伝えたくて」
♪♪「まぶしい朝に 苦笑いしてさ」
♪♪「あなたが窓を開ける」
♪♪「舞い込んだ未来が始まりを教えて」
♪♪「いま輝いているんだ」
♪♪「『ありがとう』って伝えたくて」
♪♪「あなたを見つめるけど」
♪♪「信じたこの道を確かめていくように」
♪♪「今 ゆっくりと 歩いていこう」