2020/03/21(土) 02:10〜03:00 NHKスペシャル選 ホットスポット 最後の楽園(5)東アフリカ・神秘の古代湖[SS][字]


そこは 魚たちが長い時間の中で→
不思議な進化を遂げる

舞台となってきたのです。
気が遠くなるような時間の中で
独自の進化を遂げてきた魚たち。
激しい生存競争を生き抜く中で→
最も大切なのが確実に子孫を残す事だ。
シクリッドの仲間は→
全てが 卵や子供を守る習性を持っているという。
一番 基本的なパターンは→
産み付けられた卵を親が守るという方法だ。
敵を見つけると 追い払う。
しかし この方法は必ずしも万全ではない。
相手が集団でやって来た。
こうなると 多勢に無勢。全滅してしまう事もあるらしい。
卵や稚魚は 常に捕食者から
狙われる 厳しい世界なのだ。
その中で 卵を守る場所に
工夫を凝らす者が現れた。
貝殻の上にいるのは…


大きいのがオス。
貝殻は 全て
オスが集めてきたものだ。
小さなメスが
しきりに貝を気にしている。
慎重に 一つ一つ
状態をチェックしていく。
実は メスは
貝の中で産卵するのだ。
しかも 子供が独り立ちするまで
ずっと 中で世話をするという。
これなら 安全そうだ。
メスの好みに合う貝殻を集めようと オスも必死だ。
中には 近くの巣から失敬する
やからもいる。
仁義なき戦いの始まりだ。
♪♪~
しかし オスは やみくもに
貝を盗んでいる訳ではない。
中をのぞき込み…。
メスがいる事を確認して持ち去った。
わざわざ メスが産卵している貝を
選んで 盗んでいるのだ。
そして 驚くべき行動に出る。
なんと 砂をかけ始めた。
息苦しくなったメスが
とうとう 貝から出てきた。
すると メスを追い払おうと
容赦なく攻撃を加える。
保護者を失い

貝から出てきた稚魚は→
あっという間に襲われる。
オスの狙いは ここにある。
別のオスとの間に
産まれた稚魚は 邪魔なのだ。
そして 今度は 空になった貝殻に
新しいメスを迎え入れる。
一度 産卵に使われた貝は→
次も メスが利用する確率が高いという。
それを知っていて
メスもろとも 貝を略奪するオス。
確実に自分の子孫を残そうとする
恐るべき知恵だ。
こちらは体長80cm
湖最大のシクリッド クーヘだ。
クーヘも また ちょっと
変わった子育てをする。
ふだんは 沖で暮らしているが
繁殖の時になると→
岸辺にやって来て
岩などに卵を産み付ける。
卵の数は およそ2万個。
それをオス メス ペアで守る。
産卵から2日後 孵化が始まった。
大きさは 僅か5mm。まだ泳ぐ事はできない。
巨大なクーヘも 赤ん坊のうちは
親の保護が必要だ。
油断は できない。
子供を狙う魚の群れがやって来た。
大胆にも 何十倍も大きなクーヘに

集団で挑みかかる。
さすがに クーヘといえども
完全には 防ぎきれない。
激しい攻防は
これで終わりではない。
同じ場所にいる限り
敵は 連日のごとく襲ってくる。
♪♪~
この日 クーヘは ある行動に出た。
子供を口に入れ
違う場所に移したのだ。
敵の目をくらます意味が
あるのかもしれない。
そして 少しずつ
敵が多い岩場から離れていく。
しばらくすると
全ての稚魚が泳ぎ始めた。
こうして 沖で
プランクトンを食べて成長し→
数年後