2020/03/21(土) 02:10〜03:00 NHKスペシャル選 ホットスポット 最後の楽園(5)東アフリカ・神秘の古代湖[SS][字]


魚が これほどまでに→
愛情こまやかな
子育てをするなんて→
本当に驚きだ。
(雷鳴)
12月 マラウイ湖に
本格的な雨季が訪れる。
この時期 湖の上では→

信じられないような光景が繰り広げられる。
湖から立ち昇る 煙のようなもの。
♪♪~
その正体は 無数の蚊だ。
フサカという蚊で→
ボウフラは ふだん 水深100mほどの
場所を 漂いながら暮らしている。
そして 雨季の晴れ間
風のない日の夜明け前に→
一斉に羽化する。
♪♪~
僅か 数mmの蚊が作る蚊柱は


高さ200mにも達する。
これは 繁殖のための飛行。
空中で相手と出会うと水面に降りて産卵し→
一生を終える。
蚊柱の周りに集まっているのは鳥だ。
何十kmも離れた岸から
蚊を求めて飛んできたのだ。
雨季に起きる 蚊の大発生は
湖の魚たちにも 恵みをもたらす。
このカンパンゴの巣では
子供が 15cmほどに成長している。
このくらいの大きさになれば
シクリッドたちに狙われる心配はない。
巣の外に出て
長いヒゲで獲物を探している。
ボウフラだ。
この時期のボウフラは子供の 格好の餌となる。
カンパンゴは ボウフラが発生する時期に
合わせて 子育てをしていたのだ。
♪♪~
不思議な生態を持つカンパンゴに大きな関心を持っている人がいる。
20年以上にわたって
古代湖の魚を研究している。
佐藤さんは 最近
カンパンゴの巣を観察している時に→
驚くべき発見をした。
熱心に子供を守る カンパンゴ。
しかし 守っているのは
自分の子供ではない。
カンパンゴの子供と比べると→

頭が大きく ヒゲが短い。
実は 別のナマズの子供だ。
これが その親。
サプアと呼ばれるナマズだ。
しかも 巣にはカンパンゴの子供は 一匹もいない。
全て 入れ代わっているのだ。
しかし どのようにして子供が入れ代わるかは→
これまで全く分かっていなかった。
今回 リモコンカメラが その謎に迫る貴重な映像を捉えた。
巣の近くを通る2つの影。
サプアのペアだ。
カンパンゴの巣に近づこうとしている。
一体 何をしているのだろうか。
早速 サプアが やって来た巣を
確かめる事にした。
♪♪~
カンパンゴの下に 白いものが見える。
これは 産み付けられたばかりの
カンパンゴの卵。
その中に 動く者がいる。
もしかしたら これは当たりかもしれません。
ホントに サプアの子だとしたら
ずっと探してたのが見つかった。
すごいかもしれません。
これは 本物です。 サプアの子です。
黒い小さな魚が カンパンゴの卵の間を
盛んに動き回ってる。
たくさん いるんですよ。
黒い魚の正体はサプアの稚魚だという。
サプアは カンパンゴの産卵と

ほぼ同時に→
自分の卵を
巣に 紛れ込ませていたのだ。
そして 先に孵化し→
カンパンゴの卵や稚魚を食べ尽くしてしまうという。
カンパンゴは そうとも知らず
サプアの稚魚を 我が子同様に育てる。
他人をだまして 自分の子供を
育てさせる 驚くべき行動だ。
カッコウのように
他人に卵を預ける この行動。
ところが もっと上手をいく魚が→
世界で初めて 佐藤教授によって発見されました。
1匹のシクリッドが
口いっぱいに 卵を含んでいます。
しかし 中には
既に 侵入者が潜んでいます。
クリーム色が シクリッドの卵。
その中に 小さな黄色い卵が交じっています。
これが その親。