一人一人に決まった数だけマスクを配分するということで、
薬局やコンビニで保険証を見せる
と受け取れるシステムを作りまし
た。
>>即座に台湾内すべてのマスク
を買い上げた台湾当局。
去年2月には保険証とひもづけ、1週間に2枚、
市民全員が購入できる仕組みを作
った。
このマスクのスムーズな供給に大
きく活躍したのが。
台湾は当局がマスクを買い上げる
ので、
平等に行き渡りますと宣言。
その発表から僅か3日後には、
台湾全土の薬局ごとに在庫がどれ
だけあるのかが一目で分かるスマ
ートフォンアプリを公開したのだ。
マスクは市民に広く行き渡ったが、各地で感染者が増加。
市民の不安が募る中、
当局が一貫して続けていたことがあった。
それは。
>>僕はテレビで見せていただいたと思うんですけれども、
100日以上毎日会見をすると、
信じるってオードリー・タンさんがおっしゃってたのがすごく印象
的なんですけども、そのとおりな
んですか?
>>そうですね、
対策本部は毎日午後2時に記者会見を行いました。
どんな記者でもいつまでも質問が
でき、
その質問が尽きるまで終わりませ
んでした。
>>日本の厚生労働大臣に当たる
陳時中衛生福利部長が指摘する新
型コロナ対策本部は、1月20日
以降、毎日午後2時から1日も欠
かさず会見を開き、時間無制限で
記者の質問に答え続けたのだ。
>>何日会見やれば、国民という
のは信じるんですか?
>>そうですね、継続的にやるべ
きで、毎日、
あるいは毎週、無期限でやるべき
です。
そしてすべての記者の質問には必
ず答えるという原則は、徹底すべ
きだと思います。
>>その中に、
必ずユーモア、
そういうものが必要だというふうにおっしゃってますよね。
>>ルーマー、
風評よりもユーモアをと、
スローガンの一つに掲げています。
かわいらしいチャイという犬がキャラクターになって、
室内では犬3匹分の距離を空けて
くださいとか、
外では犬2匹分、
距離を空けてくださいとか、
洗っていない手を犬の手に見立て
てみたり、笑えるし、ほかの人と
共有する気持ちにもなります。
>>毎日の会見は、インターネットで中継され、
幅広い層に視聴されたのだが、
とりわけ人々の心を打つ場面があった。
それは2月4日、
中国・武漢からチャーター機で帰境させた台湾市民のうち1人の感
染が判明。
対策本部のトップである陳氏がそ
の説明をしていたところ。
>>彼らを連れて帰ったのは、武
漢の医療環境では大切な命を失う
かもしれないからです。
台湾の医療が全力で助けてくれる
はずです。
>>不眠不休で働き、鉄人と称さ
れるほどの陳氏が涙する。
その姿に、
多くの台湾市民が胸を打たれた。
対策本部のトップを務める陳氏は、
元歯科医師。
そしてオードリー氏も実業家だ。
民間人を積極的に政権中枢に取り入れるという日本では考えられな
い政治の仕組み。
政治と市民の距離が近くなったきっかけは。
7年前に起きたひまわり学生運動。
当時、
政権与党は、
中国との市場開放に関する協定をまともに議論しないまま強行採決。
これに怒った学生たちが議場に突
入し、3週間にわたって占拠。こ
の出来事により、台湾市民の政治
への意識が変革したのだ。
当時33歳のオードリー氏もこの
運動に参加。
占拠された議場内で何が起こって
いるのかを知らしめるためにイン
ターネットの環境を整備するなど、
奔走した。
この運動の結果をオードリー氏は