車のエンジニア。
>>働いて、インターネットで大
学する。
本のライターに。
>>将来はブラジルに帰って生活をしたい。
そんな希望を持っている生徒も多
い。
この日は柔道の練習日。
ところが、
体育館までのバスにどうしても乗
ろうとしない生徒が。
聞けば、
クラスで人気の女の子とのことで友達にからかわれ、けんかになっ
たらしい。
>>かわいいからみんな、
恋人になりたい。
難しい。
一番大事な、
おもしろい年ね、今は。
>>ケンコ先生には今、気にかけ
ている生徒が入る。
1か月前に家族でブラジルから来
日。
コレジオ・サンタナ学園に入学し
てきた15歳のビアトリスだ。
>>お父さんとお母さん、別れた
から、お母さん、
娘と息子と来た。
息子と娘は来たくなかった。
ブラジルで勉強を続くつもりだっ
たけど、旦那さんと別れたから、
もうしかたがない。
日本に行って、頑張って、お金集めて、子どもたち、もう1回戻っ
て。
>>親の事情でしかたなく日本に連れてこられたビアトリス。
日系ブラジル人とはいえ、
彼女にとっては見知らぬ国。その不安からなのか、
自分からクラスメートの輪に入ろ
うとしないばかりか、
食事もとろうとしない。
実はケンコ先生には、
ほかにも大きな心配事がある。
>>今月は電気代、
電話代、払ってない。
もうみんな遅れてます。
>>それは先生の生活を犠牲にし
なければならないほど、
学園の運営資金が不足していると
いうこと。
手元には毎月のように督促状が送
りつけられてくる始末だ。
サンタナ学園は、
ブラジルの教育カリキュラムで授業しているため、
日本の公的な資金援助を受けるこ
とができない。
さらに追い討ちとなっているのが、
ブラジル人労働者の収入の激減。
リーマンショック以降、仕事が減
ってしまい、
子どもの授業料を満足に払えない
親が多くなったのだ。
少しでもお金になることならと続
けているのが、
段ボールを集めて古紙回収業者に
買い取ってもらうということ。
この日、
受け取ったのは1036円。
>>でもこれもサラダオイルやら
おかずのお金にも入りますから、
とてもうれしいです。
>>さらにケンコ先生が目をつけ
たのは、地元のお祭りに屋台を出
して現金収入を得るということ。
販売するのはブラジルの名物料理、
牛肉のシュラスコ1本500円。
そしてパイ生地にミンチ肉を挟ん
で揚げるパステル。
こちらは1枚300円。
>>去年、
12万、
13万売れた。
だからことしは15万売れたらっ
て。
車の税金あるね、5月から来た。
けどまだ払ってないから、払います。
>>そしてお祭りの当日、ケンコ
先生の思惑どおり、
自動車税が払えるほど大売れとな
るのだろうか。
などという心配をよそに、
シュラスコとパステルは大盛況。
ブラジルの味を求めて、
お客が次々とやって来る。
やったね、
先生。
>>お客様、
ちょっと少なかったけども、
80%売りました、うれしい。
>>自動車税は払えそう?>>払います。
全部払えないけど、半分ぐらい払