多いらしい＞
＜素早く走る
芝田の視線は…＞
＜なるほど
大鷹に似ている＞
＜幸い
不審な人影はない＞
＜だが
国道に戻る時彼は驚きの技を繰り出した＞
＜名付けて…＞
＜目の前を通過する車はざっと １秒に１台＞
＜その一瞬で
運転者全ての表情を見届けるのだという＞
＜果たして
そんなことが可能なのだろうか？＞
＜…と
その時＞
行っちゃおう
。
＜注視していた私たちには
何に反応したのか→
皆目
見当がつかなかった＞
「
ちょっと左 入ってもらえますか」動きだしたらでいいので。
（
中田巡査長） 運転手さん…。
恐れ入ります
車 左に寄せて止めてください。
＜若手隊員は
けげんそうだが→
芝田の表情には
絶対の自信がうかがえる＞
（
芝田警部補） 警察です防犯の警戒で回ってまして→
お住まい
ここら辺の方ですか？（運転手） いやいや…。
（
芝田警部補）恐縮ではございますが免許 よろしいですか？
失礼します
。
＜丁寧な口調で→
しかし芝田はズバリと切り込んだ＞
大丈夫？
（運転手） うん。
＜若手隊員が→
まだ 免許証による照会を終えていないのに…＞
いや
分かっては来てない！ただ 正直なところ…。
ごめんね
。
＜
「顔」とは 男が目の前を通過した一瞬の顔のことだ＞
＜小型カメラの映像でも
ドライバーの表情など→
とても識別できないのだが…＞
（芝田警部補の声）持ってんじゃないかと思って追い掛けることにして。
あと
まぁ…。
＜いくら
経験上とはいえにわかには信じ難い＞
大丈夫？
マズい？ フフフ。
＜読みは的中したのか
男は観念して 芝田に従った＞
（
芝田警部補）頭 気を付けてください。
閉めて
。
＜まず
男のバッグを改める＞
（
芝田警部補）奥にメガネケースがある？
溶けたやつが入ってる？
残ってる？ ブツが。
溶けたっていうのは…
。
（
運転手） そうそう…。（芝田警部補） あぁ ホント。
水溶液ってことですね
。（運転手） そうそう…。
溶けてるね
入ってるね 注射器。
１８時０４分…
。
＜当たり前のように
覚醒剤を発見＞
＜鮮やかな手並みに→
誰よりも捕らえられた男が驚いていた＞
（
運転手） そんなもんかい。うん。
私たち
やっぱ そういう…。
＜やはり男は
覚醒剤の常習者だった＞
（
芝田警部補） お願いします。
＜恐ろしい薬物を手にした者が→
平然と街を行き来している現実＞
＜覚醒剤をはじめとする薬物は→