常軌を逸していた>
<警察官が懸命に
前方へと回り込む>
<それに気付くと
無謀にもバックし始めた>
<一体
どれだけ周囲の車に激突すれば→
気が済むというのか>
<身動きが取れなくなるとまた前進>
<けれど
前方には警察官が立ちふさがる>
<進退窮まるとは
このことだ>
<ついに
観念すべき時が来た>
<おっと!
それでも まだ諦めず→
逆走を開始>
<これはもう 狂気の沙汰としか言いようがない>
<激突を繰り返しながら→
後続の車列をこじ開けて行く>
<あろうことか
警察官のオートバイにまで体当たり>
<この後
衝撃の結末を迎える>
…のは事実
。
<死亡ひき逃げ事件の現場には→
加害車両が乗り捨てられていた>
<一体
なぜ?>
<職務質問のプロは
並外れた動体視力の持ち主だった>
<その視線は
一瞬で悪事を見抜いてしまう>
<悪あがきなど通用しない!>
<渋滞の車列を逆走し激突を繰り返しながら→
男は逃げ続けた>
<だが 大型トラックに衝突し→
身動きが取れなくなると
車を放棄>
<その様子をヘリのカメラは
見届けていた>
<たとえ
警察官を振り切ったつもりでも→
空からは丸見えだ>
<男が飛び込んだのは民家の庭先>
<ヘリの連絡を受けた
地上部隊が急行し→
一気に距離を詰めて行く>
<ついに身柄確保>
<男は無免許運転容疑で
現行犯逮捕>
<監禁罪に加え→
覚せい剤所持の容疑でも逮捕された>
<航空隊の追跡を逃れることなど
不可能なのだ>
(
パトカーのサイレン)
<またしても
悪辣な事件が起きてしまった>
<横浜の市街地で起きた
ひき逃げ>
<被害者の男性は
大量出血で→
既に病院に運ばれていた>
<現場は片側2車線の県道に→
細い路地がぶつかる交差点>
<被害者は朝刊を配達していた50歳代の男性>
<乗っていた原付バイクが
無残に変形していた>
<周囲に広がる血痕は→
被害者が受けたダメージを物語っている>
<原付バイクの状態から
事故の状況が浮かび上がった>
(
捜査員) 恐らく…。
<左側面に
かなりの衝撃が加わったものと思われる>
<だが
奇妙なことに加害車両は現場の数十m先で→
ハザードを点滅させたまま
停止していた>
<高級スポーツカー>
<外車だった>
<左前方が
大きく えぐれているのは→
事故によるものだろう>
<ボディーに 原付バイクの塗料が こびりついていた>
<物言わぬ物証はあるのだが…>
…のは事実。
<…とすれば
これは盗難車か→
あるいは
飲酒運転か>
<捜査員によれば
原付バイクは→
県道の交差点を
住宅街に向かって右折>
<そこに